コロナ禍がミレニアル女性に与えた影響は-JOTCセミナー
Zoomで初のオンラインセミナー開催
「TabiMUSE」運営会社による調査結果も
今回のセミナーで野々村氏は、バリーズが3月下旬に実施した「コロナウイルスに関する旅行意識調査」の結果も報告した。調査は「TabiMUSE」の公式InstagramやLINEの登録者を対象としたもので、454名の女性から回答があり、回答者の8割がミレニアル世代だった。
それによると、海外旅行の計画を中断またはキャンセルした人は全体の6割。同社は3月上旬にも調査を実施しており、その際には中断またはキャンセルした人は3割だったため、3月中に比率が一気に倍増した。反対に「キャンセルするつもりはない」とした人は、3月上旬は3割だったのに対し、今回は1割まで減少。また、キャンセルを検討している人の4割が、検討対象として夏休みやシルバーウィークの旅行を挙げており、広報・PR担当の平松ゆい氏によれば「ギリギリまで様子を見たいと考えているケースが多いようだ」という。
海外旅行の再開のタイミングについては、3月上旬の調査では25.5%が「渡航先の状況が落ち着いたら」、23.7%が「WHO(世界保健機関)の収束宣言が出たら」と回答。しかし今回の調査では「WHOの収束宣言が出たら」と回答した人が大幅に増えて5割以上に達しており、「多くの情報があふれるなかで、WHOの発信が信頼されている」という。
「事態が収束した後にどこへ行きたいか」との質問の回答について平松氏は、「新型コロナウイルスの影響で特定のエリアのニーズが急降下している傾向はなかった」と報告。むしろ旅行できるようになる日に向けて、各方面のニーズが高まっていることを伝え、「収束後の旅行への意欲はすでに高まっているように感じられる」と語った。次回の旅行を実施する時期については16%が夏休み、10%がシルバーウィーク、12%が年末年始以降としており、回答者の4割が次の旅行を計画しているという。
なお、この日のセミナーの運営には、フィンランド政府観光局の日本における業務などを担うForesight Marketingが協力。代表取締役の能登重好氏はオンラインによるセミナー開催について、「人が集まる必要がなく、圧倒的にコストパフォーマンスが良い。録画やライブ配信も可能なので、旅行業界もこのようなシステムを使ってデジタル化を進めるべき」と主張した。JATAおよびJOTCは今後もオンラインセミナーの開催に注力する方針で、4月27日と28日には「新型コロナウイルスと日本の観光業」を緊急開催している。