HIS、1Qは増収減益-新型コロナで予想修正、通期最終赤字へ
エイチ・アイ・エス(HIS)はこのほど、2020年10月期第1四半期(19年11月1日~20年1月31日)の連結業績を発表した。売上高は前年比6.6%増の1996億1800万円、営業利益は36.6%減の37億9100万円、経常利益は17.5%減の42億8800万円、四半期純利益は7.6%減の21億7700万円。売上高はRed Label Vacations社の新規連結や電力小売り事業の伸長などにより増加したものの、利益面は国内外の旅行子会社やハウステンボス(HTB)の低調により各項目で減少した。
旅行事業の売上高は5.2%増の1753億2000万円、営業利益は41.8%減の23億7000万円だった。日本での海外・国内旅行はトータルでは前年並みで、訪日旅行は競争環境の厳しさから低調。海外では新たに連結したRed Label Vacations社が増収に寄与したものの、人件費などの費用は増加したという。
HTBグループの売上高は13.1%減の64億4700万円で、営業利益は63.6%減の6億4400万円。クリスマス時期の日並びや、訪日観光客の落ち込みなどが影響した。「変なホテル」の開業を進めるホテル事業は、売上高が23.4%増の38億1100万円、営業利益が21.0%増の3億1100万円と伸長。九州産交グループは昨年9月に大型商業施設「SAKURA MACHI Kumamoto」を開業したことにより、売上高は17.9%増の69億3400万円、営業利益は72.6%増の3億1600万円となった。
エネルギー事業は売上高が56.7%増の62億9100万円、営業利益が125.9%増の2億6800万円。電力小売りの契約数増加や、新たな取り組みであるガス小売りを本格化し、電気とのセット販売を開始したことなどで伸長した。
なお、第2四半期累計および通期の連結業績予想については、新型コロナウイルスの感染拡大による影響やハウステンボスの伸び悩みなどを勘案して下方修正。第2四半期累計の売上高は前年比0.8%減の3750億円、営業利益は73.3%減の24億円、経常利益は60.6%減の35億円、当期純利益は83.9%減の8億円を見込む。通期の売上高は4.1%減の7750億円、営業利益は90.3%減の17億円、経常利益は83.6%減の28億円。当期純利益は109.0%減で11億円の赤字とした。
新型コロナウイルスの感染拡大による影響は、現時点では7月まで続くと仮定。ハウステンボスなどのテーマパークは2月29日から3月15日まで臨時休園するが、休園の影響額については算定中のため業績予想には反映していない。