航空需要「伸び鈍化も引き続き堅調」-IATA、19年実績推計

  • 2020年2月13日

 国際航空運送協会(IATA)によると、2019年1月から12月までの航空輸送実績で、旅客需要を表す有償旅客キロ(RPK)は国際線と国内線の合計で前年比4.2%増となった。リーマンショック以降の長期トレンド5.5%増を下回る初めての年となったものの、貿易摩擦などの影響があったなかでは堅調な結果との分析だ。

 国際線はRPKが4.1%増で、座席供給量を表す有効座席キロ(ASK)は3.0%増であったため、ロードファクターは0.8ポイント増の82.0%という結果に。地域別で見ても、RPKが4.5%増、ASKが4.1%増、ロードファクターが0.3ポイント増の80.9%となったアジア太平洋を含めて、全方面でRPK、ASK、ロードファクターが前年を上回る結果となった。

 国内線は、全体ではRPKが4.5%増、ASKが4.1%増、ロードファクターが0.4ポイント増の83.7%。集計されている日本、豪州、ブラジル、中国、インド、ロシア、米国の7ヶ国を国別で見ると、RPKは中国が7.8%増と好調だったほか、ロシアも6.7%増と伸び、次いでインドの5.1%増、米国の4.5%増となった。

 日本はRPKが3.9%増、ASKが2.8%増となったものの、ロードファクターが0.8ポイント増ながら73.8%となり、7ヶ国で唯一70%台に留まった。

IATA 2019年12月 国際線需要動向

方面RPK
前年比
ASK
前年比
L/FL/F
前年比
アフリカ+5.1%+4.2%72.1%+0.6pt
アジア太平洋+3.9%+2.4%81.8%+1.2pt
欧州+2.6%+0.2%83.5%+1.9pt
ラテンアメリカ-1.1%-2.8%82.3%+1.4pt
中東+6.4%-0.3%78.1%+4.9pt
北米+5.2%+2.0%84.6%+2.6pt
合計+3.8%+1.0%81.8%+2.2pt

IATA 2019年1月~12月 国際線需要動向

方面RPK
前年比
ASK
前年比
L/FL/F
前年比
アフリカ+5.0%+4.5%71.3%+0.3pt
アジア太平洋+4.5%+4.1%80.9%+0.3pt
欧州+4.4%+3.7%85.6%+0.6pt
ラテンアメリカ+3.0%+1.6%82.9%+1.1pt
中東+2.6%+0.1%76.3%+1.8pt
北米+3.9%+2.2%84.0%+1.3pt
合計+4.1%+3.0%82.0%+0.8pt

IATA 2019年12月 国内線需要動向

市場RPK
前年比
ASK
前年比
L/FL/F
前年比
オーストラリア+0.8%+1.1%80.6%-0.2pt
ブラジル+1.6%+2.0%84.0%-0.3pt
中国+3.7%+3.6%81.8%+0.0pt
インド+1.7%+1.0%88.2%+0.6pt
日本+1.8%+1.8%69.8%+0.0pt
ロシア+3.0%+5.1%77.7%-1.5pt
米国+10.5%+5.7%86.7%+3.8pt
合計+5.8%+3.9%83.1%+1.5pt

IATA 2019年1月~12月 国内線需要動向

市場RPK
前年比
ASK
前年比
L/FL/F
前年比
オーストラリア+0.1%+0.1%80.1%+0.0pt
ブラジル+0.4%-1.4%82.7%+1.5pt
中国+7.8%+8.2%84.6%-0.3pt
インド+5.1%+4.2%87.4%+0.7pt
日本+3.9%+2.8%73.8%+0.8pt
ロシア+6.7%+7.1%83.2%-0.3pt
米国+4.5%+3.5%85.5%+0.8pt
合計+4.5%+4.1%83.7%+0.4pt
◯有償旅客キロ(Revenue Passenger Kilometer、RPK)=運航距離×有償旅客数
◯有効座席キロ(Available Seat Kilometer、ASK)=運航距離×座席数
◯ロードファクター(Load Factor)=RPK/ASK