全日空、シンガポール航空と包括提携、21年冬にもJV開始

  • 2020年2月1日

記者会見後の記念撮影  全日空(NH)とシンガポール航空(SQ)は1月31日、戦略的包括提携契約を締結した。ともにスターアライアンスの加盟会社である両社は、2004年から日本/シンガポール間路線や日本国内線などでコードシェアを実施しているが、対象路線をさらに拡大するとともに、21年冬ダイヤからのアジア太平洋地域におけるジョイントベンチャー(JV)開始をめざす。今後は独占禁止法適用除外(ATI)の認可申請準備を進める。

 NHにとってはアジア/北中南米間におけるユナイテッド航空(UA)とのJV、日本/欧州間におけるルフトハンザ航空グループとのJVに続く3つ目のJVで、アジア太平洋地域では初めて。対象とするのは日本・シンガポール・オーストラリア・インド・インドネシア・マレーシアの6ヶ国で、SQが以遠権を行使して運航している成田/ロサンゼルス線などは、NHとUAがJVを実施していることから対象に含まない。新たなコードシェア路線の詳細は追って発表する。

平子氏  31日に都内で開催した記者会見でNH代表取締役社長の平子裕志氏は、一昨年頃に包括提携に向けた検討を開始した旨を説明。JV対象の6ヶ国については「これから需要が見込めるエリアで、シンガポールからはインドやオーストラリアへのアクセスも良い」と語った。NHは今月17日には、3月末に日本に初就航するヴァージン・オーストラリア(VA)との包括提携契約も発表している。

ゴー氏  SQのCEOのゴー・チュンポン氏はNHのサービスやプロダクトの品質などを評価するとともに、協働によってアジア太平洋地域でのプレゼンス強化や競争力確保に努める考えを示した。今後、SQの日本以遠の北米路線をJVに含むか否かについては「将来の議論の対象となる」とコメント。なお、ゴー氏はこの日の会見で、SQがこのほど東京/ニューヨーク間の運航許可を取得したことも明らかにしたが、今回のJVとは直接的な関係はないとし、計画の詳細については説明しなかった。