オーストリア、「ウィーン楽友協会」ホール開場150周年

  • 2020年1月24日

ウィーン楽友協会(ムジークフェライン)は、世界的に知られるクラシックの殿堂です。

ここで音楽を鑑賞することは、音楽の都の精髄に触れることです。

2020年、この著名なコンサートハウスは創立150周年を迎えます。

リング通りに近いカールスプラッツの広場に面した建物は、まるで寺院を思わせます。1870年に建築家テオフィル・ハンセンの設計で完成。列柱、破風、レリーフで飾られた歴史主義様式です。

その名称、「楽友協会」とはこの建物を所有する団体「ウィーン音楽の友の会」も意味します。楽友協会は世界中の音楽ファンが周知の突出したコンサートハウスで、そこでは世界的レベルの演奏家が出演します。中でも有名なのは「黄金のホール」。ここでウィーン・フィルが毎年ニューイヤーコンサートを開催し、その様子は地球上の何百万人ものテレビ視聴者に中継で届けられます。

このコンサートビルディングは1870年1月6日にオープンし、すぐにその印象的な音響と建築で絶賛を浴びました。楽友協会150周年は2020年2月29日に「オープンドアの日(門戸開放)」を機に始まります。すべてのホールで、ガイドツアーやプログラム、ワークショップ、講演、プレゼンテーションが訪問者を迎えます。楽器の試演も可能。

また楽友協会のスケジュールには素敵なプログラムと同じく素晴らしいパフォーマーが名を連ねます。

2020年は記念周年チクルスも用意されており、ベートーヴェン・チクルスと2つのマーラー・チクルスがカレンダーに載っています。

また2つの展示会が楽友協会の記念周年を際立たせます。

2020年4月~6月までは建物の歴史についての展示が、2020年10月~12月はルードヴィヒ・ファン・ベートーヴェンと音楽の友の会に関するプレゼンテーションが見られます。

別名「黄金のホール」と呼ばれる楽友協会大ホールはその豪華な内装で知られ、コンサートホールのなかでも貴重な存在です。荘厳な内装と同様にその特徴ある音響は唯一無二。高いレベルの共鳴に一役かっている大ホールの空間があります。建物の建築家、テオフィル・ハンセンが本来は椅子の倉庫として考えたスペースが、からになるとその上のホールの共鳴体へと変化するのです。黄金のホールは交響楽のコンサートに利用され、2000席を誇ります。

ほかに当初からリートおよび室内楽に利用されてきた楽友協会小ホール(ブラームス・サール)があります。

2004年の地下改装以来(建築家ヴィルヘルム・ホルツバウアー)、楽友協会にはさらに4つのホールがコンサートやイベントに提供されています。これらはグラス・ホール、メタル・ホール、ストーン・ホール、ウッド・ホールと呼ばれています。

若手演奏家のコンサートやオーケストラのリハーサル、子供や青少年向けコンサート、シンポジウム、講演が開催されます。日曜を除くほぼ毎日、ドイツ語と英語による45分のガイドツアーが実施され、コンサート営業以外の楽友協会を知る機会を与えています。

※Musikverein(楽友協会)

 住所: Musikvereinsplatz 1, 1010 Wien

 詳細:https://www.musikverein.at/(ドイツ語、英語、日本語)

情報提供:オーストリア政府観光局、日本海外ツアーオペレーター協会