ベトナム航空、交流拡大の追い風に乗る現在-新日本代表に聞く
在日ベトナム人増加で直販増加「将来は4割に」
任期中の新路線開設に意欲、ニャチャン線など関心
ベトナム航空(VN)の新たな日本地区総支配人に昨年7月、2005年から09年にかけて日本副総支配人を務めたキエウ・アイン氏が就任した。日越間交流については現在、好調に増加する訪越日本人と、観光客に加えて技能実習生、留学生などによっても増えている訪日ベトナム人の双方向で活況を呈しているが、その追い風を受けるVNは日本においてどのような状況にあるのか。詳しい話を聞いた。
キエウ・アイン氏(以下敬称略) VNに入社したのは1995年で、初めはツーリズム部門に配属された。初めて日本に赴任したのは2002年で、まずはマーケティングマネージャーに就き、05年から09年までは副総支配人を務めた。その後は10年に上海総支配人、13年に中国の3拠点を統括する中国総支配人となり、昨年の7月に日本地区総支配人に就任した。
9年間暮らした日本に戻って来ることができたことは、非常に嬉しい。当時一緒に働いていたスタッフも何人かいて、家族に再会したような気持ちだ。一方で、総支配人という立場で戻ってきた以上、大きな責任を感じているのも事実で、今後は改めて日本市場の発展に尽くしたいと思っている。
キエウ 現在は羽田、成田、関空、中部、福岡の5空港とハノイ、ホーチミン、ダナンを結んでいる。成田/ホーチミン線は全日空(NH)とのコードシェア便を含めると1日4便を運航しており、成田発は9時、14時、16時、19時台と時間帯の選択肢も多い。ロードファクターの平均はおおよそ80%程度で、年末年始などの繁忙期は90%に上り、極めて好調と考えている。
日本発の利用者の6割はレジャー客で、ハノイ、ホーチミン、ダナンと3つの都市でバラエティ豊かな商品造成ができることから、客層は幅広い。最近ではダナンがリゾート地として認知度を上げ、F1層の若い女性に支持されている。
続いて3割がビジネス客で、米中間の経済摩擦が悪化していても、ベトナムには依然として投資が続いており、MICEマーケットなども好調だ。残る1割は教育旅行で、毎年修学旅行でベトナムを訪れるような学校もあれば、大学の研修旅行なども増えている。親日家が多いベトナムは、教育旅行のデスティネーションとしてこの先も有望と感じている。
キエウ 日本市場においては6割強がリアルエージェント経由で、その他はOTAなどだが、VNのウェブサイトでの直販も2割弱に上る。コンビニでの決済サービスを開始したことが大きく、急増中の技能実習生や留学生など、クレジットカードを持たない若い層が多く利用している。直販の占める割合は近い将来、4割にまで増えると予想している。