ニュージーランド、ラグビー熱を旅行需要に、キャンペーン動画が1000万回再生

  • 2019年11月7日
(左から)猪膝氏、TNZ日本・韓国地区広報部長のジョアン・ゴーリー氏

 ニュージーランド政府観光局(TNZ)は、このほど閉幕したラグビーワールドカップ(RWC)日本大会が大きく盛り上がり「ラグビーロス」がメディアで取り上げられるまでに注目を集めたなかで、オールブラックスを要するニュージーランドへの旅行需要に繋げたい考えだ。大会期間中には、ホスト国である日本の国民へニュージーランドからの謝意を伝えるコンセプトのキャンペーン「New Zealand says 39(ニュージーランド・セイズ・サンキュー)」を展開し、その中核となるキャンペーン動画が1000万回以上再生されるなど大きな成功を収めたという。

 TNZ日本局長の猪膝直樹氏によると、今回の大会に先駆けて日本で意識調査を実施したところ、日本代表に次いで応援したいチームとしてオールブラックスを選んだ回答者が「圧倒的」に多かったといい、キャンペーンでは観光にとどまらず、ニュージーランドの貿易や教育など様々な産業の促進を担う機関が参画。ニュージーランドの人々が日本の「おもてなし」に相当するマオリ語で「マナアキタンガ」の心を持ち、他者に対する尊敬を保ち続けるといった国民性の類似点を伝えられるよう、様々な立場の人々が感謝の言葉を伝える動画を撮影してオンラインで発表した。

 同時にソーシャルメディアでの活動も強化するなどし、Twitterは当初2万2000人程度であったフォロワーが4万8000人を超え、新たに開設したInstagramアカウントは6000人近いファンを獲得。いいねやコメントなどのエンゲージメント率も高い結果を残したといい、動画はTNZやオールブラックスのソーシャルメディアなどを通して「かつてない数値」という合計1000万回超の再生数を記録した。また、リアルのイベントも開催し、当初3ヶ所で1万人を目標としていたところ、東京の2ヶ所のみで1万3000人近い集客を実現したという。

 今後は、こうした成果を誘客に繋げていきたい考えで、まずはキャンペーンを総括する動画を公開するほか、旅行会社にも協力を呼びかけていく。具体的には、キャンペーンで動画を視聴した若年層にも対応できるテーマや旅行日数のパッケージツアー造成を求めるほか、「旅行のどこかにラグビーのテイストを」組み込んでもらえるように訴える考えで、猪膝氏はオールブラックスの本拠地であるイーデンパークでのグランピングやバックステージツアー、あるいはハカの鑑賞などを例示した。

※訂正案内(編集部 2019年11月8日14時55分)
訂正箇所:第3段落第1文
誤:6000万人近いファンを獲得

正:6000人近いファンを獲得
お詫びして訂正いたします。