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週間ランキング、1位はスカイマークのサイパン線-EXPOが大阪で開幕

[総評] 今週の1位は、スカイマーク(BC)が同社初の国際線定期便であるサイパン線の詳細と新しいブランドを発表した記事でした。ようやくというのが率直な感想で、おそらく現地側もそうでしょうし、もっと言うとBCの皆様も同じなのではないかと思います。初めてのことをするのに困難が伴うのは当然ですし、あとはどう路線を良い状態で維持していくかです。

 ちょっと愚痴をいうと、今週は木曜日から大阪でツーリズムEXPOジャパン(TEJ)が開催されているわけで、なんでよりによってそのタイミングで記者会見を東京でやってしまったのかと思ってしまいます。まあ一般メディアは各地に記者がいるわけで、トラベルビジョンのような少人数の媒体のことなど知ったことではないでしょうけれども、マリアナ政府観光局も出展する「世界最大級の旅の祭典」と時期を同じくしたのは、なんとなくもったいないような気がします。

 さてそれはさておき、ちょうど冬ダイヤに切り替わるタイミングだからかもしれませんが、今週はBCに限らず色々と新路線や増便のニュースが多く入ってきています。特に中国系航空会社の勢いは目をみはるほどで、今月だけで10路線以上の新規就航や増便をお伝えしています。尖閣問題で劣悪な雰囲気になっていたのもそんなに前ではないはずなのに、どうも隔世の感があります。韓国との関係も今は冷え切っていますが、きっとまた変わってくるのでしょう。

 座席と需要は鶏と卵とよく言われますが、座席が増えれば自ずと旅客も増えるもので、空港の実績でも毎月のように過去最高の文字が並び、あまりにも頻発するので本当はニュースバリューとして嬉しいはずの「過去最高」が、最近はありがたみを感じられなくなっているほどです。一方、旅行会社のビジネスという意味では過去最高というような景気のいい話はほとんど聞かれず、このあたりの乖離は気がかりです。

 次に、先ほども触れたTEJですが東京以外での開催は今回が初めてで、本稿も大阪で書いています。コストもかかるため取材を見送ることも考えていましたが、やはり旅行業界へのコミットメントとして参加することにしました。

 木曜日、金曜日と天気に恵まれず、さらに当然のことながら何から何まで勝手が違い、会場の様子も今までと同じなようでやはり違っていて、取材する側としてはまだ掴みどころがない印象です。とはいえ、東京開催では見えなかったものがきっと見えてくるでしょうし、土日の一般日も含めてどのような成果が得られるのか、どのような変化が生じるのか、素直に楽しみです。今まで東京開催で来られなかった近畿地方の皆様も、せっかくの機会ですので是非土日にでも来場されることをお勧めします。

 なお、最後に一つどうしても気になってしまった点を記しておくと、ウェルカムレセプションは改善の余地があるように思います。以前も当欄で書いた気がしますが、こういったB2B商談会や展示会のレセプションは、「この国でインセンティブのパーティーをするとこんなこともあんなこともできるんだ!」というメッセージを海外関係者に直接届ける絶好の場であり、なるべく「一番いいもの」を見せるべき場所であるはずです。

 自分が食いしん坊だから類が友を呼んだだけかもしれませんが、私の友人連中のなかでは「あの披露宴の飯はまずかったな…」というのが何年経っても記憶から消えなかったりもし、周囲よりも遅く結婚した私は、他の部分はさておきそこだけは美味しかったと思ってもらえるように腐心したことを覚えています。

 先日もフォーシーズンズホテルの標語「Wow Me if You Can」について書きましたが、ホスピタリティの本質はプライドを持って相手の期待を超え「Wow!すごい!」と思わせることではないかと思います。予算のことなど色々と制約はあるのでしょうけれども、日本の観光産業はこんなものかと思われないために業界の本気を見せつけていただきたいと切に願っていますし、それができないなら自分にやらせてほしいとすら思います。(松本)

※一部追記(2019年10月26日01時05分)
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