宿泊業倒産も件数・負債額ともに最少に-19年度上期
東京商工リサーチ(TSR)によると、2019年度上半期(2019年4月1日~9月30日)に発生した負債額1000万円以上の宿泊業者の倒産件数は22.2%減の28件となり、2年連続で前年を下回るとともに、16年度上半期の29件を下回って、過去20年間では最少となった。負債総額は69.5%増の78億9400万円で、3年ぶりに減少するとともに、こちらも過去20年間における最少記録を更新。初めて100億円を割り込んだ。
負債額別では、10億円以上が6件減の1件、5億円以上10億円未満が9件減の0件とそれぞれ大幅に減少し、小規模化が進んだ。形態別では、特別清算の割合が25.0%で全産業の平均の2.9%より大幅に大きく、際立っているという。
TSRは、今回の発表に際し、倒産件数・負債総額ともに過去20年間で最少となったものの、「施設や立地の魅力の乏しさなどから集客力に乏しく、設備投資もできず厳しい業況に置かれている小・零細規模の宿泊業者は多い」とコメント。活気づく訪日旅行の恩恵に与れず、日韓関係の悪化など突発的な需要動向の変化にさらされやすい宿泊業者の倒産の可能性を指摘している。