エチオピア航空CEO、成田線拡充に意欲、知名度向上へ投資
このほどアフリカ開発会議(TICAD)のために来日したエチオピア航空(ET)最高経営責任者のテウォルデ・ゲブレマリアム氏は本誌の取材に応え、成田/ソウル(仁川)/アディスアベバ線の早期のデイリー化と、その後の直行便化への意欲を語った。今後は日本とアフリカの両市場で成田線の知名度向上のためのプロモーションに投資し、「デジタルメディアと既存メディアの両方を駆使して需要を喚起する」という。ETは日本では7月に、京成電鉄で交通広告を展開したところ。
ETは2015年4月に初の日本路線として、B787-8型機で週3便の成田/香港/アディスアベバ線を開設。18年6月には経由地を仁川に変更するとともに週4便化し、今年6月には週5便に増やしている。テウォルデ氏は成田線について「収益面では課題も残るが、将来に向けた投資は継続する」と述べ、ビジネスと観光の両方で利用者の増加に努める考えを説明。現在の仁川/アディスアベバ間のロードファクターは約70%だが、当面の目標として75%にまで引き上げたいとした。なお、ETは成田/仁川間のみの販売も実施しており、一定数の利用者がいるという。
日本からのアフリカ渡航における欧州系・アジア系各社との比較については、地理的な優位性とアフリカ大陸に張り巡らせたネットワークをアピール。「アディスアベバでは約60都市に接続できて、MCTも短い。メリットを打ち出すためにもプロモーションには注力しなくてはならない」と強調した。あわせて、日本から南米への渡航に対しても優位性があると訴えた。
そのほか、成田線のデイリー化に意欲を示す一方で、来年3月に国際線の昼間時間帯発着枠の拡大が予定されている羽田についても「業務渡航者にとって好ましい空港で、24時間稼働していることも魅力」と関心を表明。なお、取材後に国土交通省が発表した今回の配分先に、アフリカ諸国は含まれなかった。
今年3月に発生したETのB737MAX8型機による墜落事故については「昨年のインドネシアに続き、非常に残念な事故が2度も起こった」と述べ、現在はボーイングによるシステム改修などの解決策と、規制当局による再認可を待っていることを説明。使用再開には慎重な姿勢を見せた。