デルタ航空、羽田シフトで20年夏までに成田路線撤退へ
デルタ航空(DL)は、9月22日を最後に成田/シンガポール線を運休するとともに、来年4月には成田/マニラ線も運休し、日本以遠路線から撤退する。また、羽田国際線発着枠の増枠に伴い、来年の夏までには成田路線から撤退する見通しで、近日中に計画を明らかにすると見られる。アジア戦略の見直しによるもの。
アジア戦略の見直しは、東アジアの主要都市から米国への直行便需要が拡大したことや、昨年に同じスカイチームに属する大韓航空(KE)と太平洋路線に関してジョイントベンチャーを開始したことなどによるもので、DLは近年、成田/上海、香港、台北、バンコク線など複数の成田以遠路線を運休している。一方、KEとは仁川以遠の80都市以上でコードシェアを実施している。
DL広報部によれば、成田/シンガポール、マニラ線については米国/アジア間の移動のために利用する人が大半。仁川/シンガポール、マニラ間における路線は確保されるため、利用者にとっては単に「乗継空港が変わる」だけで、利便性は大きく変わらないという。
なお、本社を置くアトランタの経済紙が、羽田国際線発着枠の増枠に伴いDLが「2020年の東京オリンピック開催までにすべての成田発着路線を羽田に移す」と報じたことについては、「米国政府の正式な承認が降り次第、正式に発表する」とコメント。DLは現在、成田/シアトル、ポートランド、デトロイト、アトランタ、ホノルル線を運航しているが、来夏の羽田国際線発着枠の拡大に関しては、すでに米国政府からこれら5都市への路線開設を仮承認されている。
DLは16年の羽田昼間発着枠の配分を受けて、現在はミネアポリス線とロサンゼルス線を運航しており。正式に承認されれば、米系航空会社では最多となる7路線を羽田から運航することになる。なお、成田に保有しているハンガーなどについては、旅客便の撤退後についても使用を検討するという。