ラオス航空、初の日本線就航へ、11月末から熊本に週4便

  • 2019年7月25日

(左から)チャンタボングサ氏、坂田氏  ラオスの国営航空会社であるラオス航空(QV)は7月24日、都内のラオス大使館で記者会見を開催し、初の日本路線を開設する計画を正式発表した。熊本/ビエンチャン、ルアンパバーン線をそれぞれ週2便運航する予定で、使用機材はビジネスクラス16席、エコノミークラス126席のA320型機。現在は航空支援事業などを展開するインターアビエーション・ジャパンを通じて、国土交通省に就航許可を申請するための準備を進めており、8月下旬までには申請を済ませ、11月末の就航をめざすという。

 QV社長のブンマ・チャンタボングサ氏は「日本は常に“ドリーム・デスティネーション”だった。14年から日本就航の実現に向けた取り組みを開始し、ようやく発表できるまでに至った」と挨拶。あわせて「このフライトが観光のみならず、両国のビジネス、貿易、外交関係の発展に貢献することを最終目標としたい」と抱負を述べた。

 QVの新規国際事業開発本部長を務める坂田文保氏によれば、熊本を就航地に選定した理由は「既存のA320型機を使用することを前提とし、航続距離を考えて九州を候補地域とした。当初は福岡や北九州を検討したが発着枠や時間帯の関係で断念し、条件が合致した熊本への就航を決めた」とのこと。熊本発便は10時30分に出発するスケジュールを希望しており、このスケジュールであれば羽田、中部、伊丹からの国内線からQV便に接続できるという。ラオス発便の到着時間については8時30分を希望する。

 比較的小型のA320型機でも収益を確保するため、ロードファクターは平均90%をめざす考え。就航に向けた営業体制の整備も進めており、ラオス専門旅行会社でラオス情報文化観光省・観光部駐日代表事務所も務めるジャンピングツアーが日本地区予約販売代理店を務めるほか、貨物営業に関しては阪急阪神エクスプレスが代理店に内定している。

 熊本からラオスまでの所要時間は4時間30分程度で、現在のタイやベトナム経由による約11時間から大幅に短縮できるため、ビジネスでの活用に期待する。観光に関しては、ラオスの首都ビエンチャンや世界遺産都市ルアンパバーンを訪れる旅行者だけでなく、タイ北部やカンボジアのシェムリアップ、ベトナム北西部の観光需要も取り込む方針。かつてはこれらの地域をランサン王朝が治めていたことから「歴史的ラオスへの旅!」と名付けた観光プロモーションを実施し、ラオス周辺への観光需要の取り込みもはかる。

 一方、タイ北部からの訪日需要も取り込む方針で、九州観光推進機構の協力を得て、九州観光を紹介するタイ語のパンフレットを製作。8月末からタイ北部の主要都市のショッピングセンターなどで「熊本・九州・ジャパン」プロモーションを展開することになっている。

 機内サービスに関しては、ラオスを感じられるサービスを意識し、夜食には地元のブランド「サオバン」のヨーグルトを提供。そのほか、アルコール類はラオス産ラムの「ラオディ」や、ラオス版米焼酎のラオラオを使ったカクテルなども用意する。