JAL初のエアバス機、A350初号機が羽田到着、9月より運航開始
日本航空(JL)初のエアバス機、A350-900型機が6月14日早朝に羽田空港へ到着した。フランス・トゥールーズで行われた受領式にはJL代表取締役会長の植木義晴氏が出席。その後、約12時間のフライトを経て、羽田空港内にあるJL格納庫で到着セレモニーを開催し、植木氏に加えて代表取締役社長の赤坂祐二氏、到着便の機長を務めた宮下篤氏と仲本大介氏も登壇した。
今回のA350型機は国内専用で、9月1日から羽田/福岡線を皮切りに、札幌線、那覇線などの国内線で就航する予定。座席数は369席で、うちファーストクラスが12席、クラスJが94席、普通席が263席としている。
JLがB777型機の後継機としてA350型機の導入を決めたのは2013年10月のこと。後継機選定に代表取締役社長として携わった植木氏は、今回のフライトを振り返って「6年前の決断は正しかった」と断言。そのうえで、「機内はシックな作りだが全てに趣向を凝らしており、JLらしさを表現できた」と喜びを語った。
また、JL初のエアバス機となるA350型機は、搭載するエンジンも初導入となるロールスロイス製のもの。昨年まで整備部で導入の準備に携わっていた赤坂氏は、「初物づくしのA350を万全な状態」にするために尽力してきたと説明。「A350は低燃費、低騒音と言われているが、安全性、整備性においても極めて優れた飛行機だと確信している」と自信を込めた。
さらに、到着便の機長を務めた宮下氏は「A350」のコクピット内について、「コクピット内の計器がほぼデジタルディスプレイで、パイロットが必要する情報を分かりやすい場所に表示してくれる。未来の飛行機だと感じる」とコメント。なお、到着機には一部サトウキビを原料としたバイオジェット燃料を利用したといい、「通常のジェット燃料と変わることなく問題なく使用できた。今後の起用も検討している」と仲本氏。
このほか到着セレモニーでは、赤坂氏をはじめJALグループの社員が初号機を出迎え。格納後、降機した植木氏が赤坂氏に飛行日誌「ログブック」を手渡した。A350型機では、ログブックの代わりに航空機の運航状況や整備内容を電子的に記録するようになっており、これは国内では初めて。赤坂氏は「最後のログブックを元機長の植木会長から手渡していただけたことが非常に嬉しい」と感慨を語った。