エムオーツーリスト「カクタス支店」発足、その背景と今後の見通し
BTMに注力しつつも「フェイス・トゥ・フェイス」継続
OBTなど業務渡航関連分野でのIT活用は日進月歩で進んでいるが、一方では電話などで従来型のサービスを望む出張者も少なくない。こうしたなかエムオーツーリストでは、「BTM営業推進部」でいわゆるBTMを手がけつつ、マニュアルの強みも維持していく方針だ。
そもそも、リスク管理やコスト削減、経費精算などを考えるとIT活用にメリットがあるのは間違いないものの、渡航先によっては例えばビザやパスポートの電子化対応が進んでいない、航空会社のシステムが古い、OBT側にも機能面の制約があるといったハードルは依然多く、荒井氏は「日本版BTMというものがあと10年は続くのではないか」と分析。
また、島本氏も「カクタス支店」の今後の展開について、オンライン化などによる効率化とBTM対応をはかり、またエムオーツーリストの24時間365日対応サービスの積極利用などこれまで以上のシナジー効果をめざす一方で、「顧客に寄り添うサービス」は維持すると説明。今後も顧客と担当者が密な関係を築き、良質なサービスを提供できるよう「エムオーツーリストとカクタス航空、各々の知恵を出し合って業務に取り組みたい」(島本氏)としている。
このほか、BTM対応に向けて一部で人事交流を進めるほか、JXTGグループで培ったスポーツ関連サービスのグループ外への提供にも取り組む。
なお、インハウス旅行会社界隈では4月1日付けで日本旅行・グローバルビジネストラベル(GBT NTA)がアローヘッド・インターナショナルの業務を譲り受け、カクタス航空と話題が続いているところだが、島本氏は「そういう動きが今後活発になる可能性は充分ある」と予測。その上で、条件次第では「我々も検討したい」と意欲を語った。