アクセスとトラベルポートが統合へ-ブランド統一、旅行会社にもメリットを
存続企業は未定も、年内にオフィス統一
今後は、6月1日に合弁会社を設立して以降もしばらくはアクセス国際ネットワークとトラベルポートジャパンの2社が独立して営業。ただし、今年後半には統合の準備を始めるほか、統合に先駆けて例えばアクセス社員がガリレオの契約を獲得するといったシナジー効果の創出もめざす。
統合後の存続会社は、株式の過半を保有するトラベルポートジャパンとするか、ブランドの浸透しているアクセスとするかは今後決定する。また、旅行会社との契約更改は、6月1日の合弁会社設立後に順次取り組んでいく。GDSとしてのアクセスは統合後も継続するが、「遠い将来にはひとつのGDSになる可能性はある」(柏氏)という。
2社の社員数は合計で200名弱だが、全員の雇用を継続。柏氏によると、アクセス社員について待遇が向上することはあっても改悪されることはない。また、オフィスについては遅くとも年内には1ヶ所にまとめる計画で、天王洲が選択肢の上位となっているが決定してはいないという。
旅行会社との関係重視を強調-JLとしてのNDC対応も「慎重に検討」
トラベルポートをパートナーとして選定した理由について聞かれた柏氏は、技術的な提携関係が従来よりあったことに加えて、トラベルポートが他のGDSと比較して旅行会社のニーズにしっかりと目を向けている点が魅力と説明。
また、アクセスの事業を単純に売却するのではなく今回のような形をとったことについては、「JALCOMの時代からすると50年以上の歴史があり、操作性に慣れておられて、アクセスしか触られていない方も多くいらっしゃる」と語り、アクセスをベースとしていくことが「旅行会社との関係にとっても旅行会社にとってもいい」と判断したという。
このほか、JLとしてのNDC対応については、「NDCはGDSのバイパスなどという単純なものではなく、色々な可能性を旅行業界、GDSに対してももたらすものだということが段々分かってきた」と語り、「欧米系の航空会社は相当先にいっているが、旅行会社はパートナーであり、GDSともうまくやっていきたいと思っているので、もう少し慎重に検討していきたい」と説明した。