豪・NSW、シドニー中心に強みアピール、イベントやMICE紹介も

  • 2019年3月18日
新堀治彦氏

 オ―ストラリアのニュー・サウス・ウェールズ(NSW)州政府観光局は15日、東京で「NSW州&シドニーセミナー」を開催し、シドニーの観光およびイベント情報やMICEビジネスを中心とする最新情報を紹介した。同セミナーは例年、東京以外の主要都市で実施してきたが、今年は大阪(13日)、名古屋(14日)、東京の3都市での開催となった。

 NSW州政府観光局によると、日本から同州への旅行者数は17年10月から18年9月までの1年間で7.9%増の17万9800人となり、右肩上がりに増えている。こうした成長を支えているのが豊富な航空座席供給で、カンタス航空(QF)と全日空(NH)が羽田/シドニー直行便をデイリー運航し、日本航空(JL)が成田/シドニー直行便をデイリー運航中。さらに18年12月からはQFの関空/シドニーが週4便に増便となった。

 その結果、日本/シドニー間は週間最大25便体制となっており、NSW州政府観光局局長の新堀治彦氏は「日本からシドニーへは1日に最大4便が運航され、毎日約1000席の供給力がある。すべてが日本人旅行者の座席になるわけではないが、可能性としてはそれくらいの豊富な供給力がある」とシドニーへのアクセスのパイプの太さを強調した。

 また世界最大級の光と音楽とアイデアの祭典で、世界中から225万人の訪問者が集まる一大イベント「ビビッド・シドニー」が今年も5月24日から6月15日の23日間にわたって開催されることを紹介し、3月下旬にはプログラムの詳細も発表されると説明した。

寺本洸氏

 このほか、毎年9月の第3日曜(今年は9月15日)に開催される南半球最大の都市マラソン「シドニーマラソン」も日本市場向きのイベント素材として期待されており、日本からも昨年は549名のランナーが参加。全参加者3万7313人に対して海外からの参加は2351人で、海外参加者のうち日本人は23%を占めているが、シドニーマラソン日本事務局では大会当日に日本人ランナー専用の受付を設けるなど受入の態勢を年々充実させており、「今年は日本からの参加者1000名をめざしたい」(日本事務局長の寺本洸氏)としている。

 さらに今回のセミナーにはMICEの受入サポートをおこなう公的機関、ビジネス・イベントシドニー(BES)も参加し、日本・東南アジア担当事業開発マネージャーのルーシー・ジン氏がプレゼンを実施。それによると17年と18年の2年間に、日本の化粧品会社や自動車会社などが330人から550人規模のインセンティブを計4件実施したほか、今年6月には健康食品販売会社の1300人規模のインセンティブも実施予定だ。

ルーシー・ジン氏

 BESは100人以上のグループを対象に、オリジナルグッズやBESのCEOからの歓迎レターなどを提供してサポートするほか、「千人単位の大型団体には花火の打ち上げやエンターテインメント、助成金の提供も可能」(ジン・マネージャー)という。

 セミナーではこのほかQFとNHが最新スケジュールやサービス面の特徴について説明。QFは現在は燃油サーチャージが設定されていない点を強調し、NHはNH国内便を使い全国40都市から羽田/シドニー線に同日乗り継ぎできる利便性の高さを強調した。

※訂正案内(編集部 2019年3月19日14時50分)
訂正箇所:第4段落
誤:世界中から25万人の訪問者が集まる

正:世界中から225万人の訪問者が集まる
お詫びして訂正いたします