ニュージーランド、「おもてなし」の心で日本人増加へ
ニュージーランド政府観光局(TNZ)のゼネラルマネージャー・アジアを務めるグレッグ・ ワッフルベイカー氏が来日し、業界誌の合同インタビューに応じた。同氏は、2018年にニュージーランドを訪れた外国人観光客が前年比3.5%増の390万人に達し、今では観光産業が農業を抜いて外貨獲得額1位の産業に成長したと述べた。
日本市場については、2018年の訪問者数が9万9784人だったことを明らかにし「8つのアジア市場のうち中国に次いで2番目に規模が大きく、成熟したマーケット」と評価。今後については「成長させることが重要で、最終的には過去最高だった2002年度の17万人程度をめざしたい」と長期的な展望を表明した。
一方で、「単に渡航者数を増やすだけでなく、滞在日数の増加や、訪問時期の拡大をめざす」とも述べた。そのポイントとして「マナアキタンガ」と呼ばれるニュージーランドの人々に根付いた「おもてなし」の心を挙げ、さらに「ティアキ」と呼ばれる「自然環境を守る」意識についても言及。何度も日本を訪問している知日家のワッフルベイカー氏は、日本とニュージーランドには、この2つのマインドが共通して存在していると指摘し、「大自然が有名なニュージーランドにどんな人が住んでいて、どういう体験ができるかを、セールスポイントのひとつとして訴求していきたい」とした。
その上で、週末だけ訪れられるような短期間の商品や、1ヶ所に長く滞在して深掘りする商品など、多様化する趣味や年齢層にきめ細かく対応した商品の開発も進める方針だ。
訪問時期の拡大については、以前から夏に需要が集中し5月や9月のショルダーシーズンが課題とされてきたが、「春や秋は気候が良く、有力な素材である星空も、空気が澄んで夏以上に美しい。ラフティングやスカイダイビングなど、ほとんどのアクティビティが年間を通じて楽しめることを訴求していく」と述べた。
このほか、ニュージーランド代表「オールブラックス」が優勝候補に挙げられる9月開催のラグビーワールドカップ日本大会についても触れ、「日本代表キャプテンのマイケル・リーチ選手はニュージーランド出身という共通点もあり、両国の友好が盛り上がることを期待している」とコメント。大会前には、ニュージーランドの伝統的なマオリ文化を伝えるイベント「トゥク イホ」が5月に北海道、8月に東京で開催される予定で、ニュージーランドの魅力をこれまで以上に伝えていく計画だ。