民泊仲介の途家が西安市と提携、日本人獲得でプロモーション強化
Ctripグループで中国最大級の民泊仲介サイト「途家(トゥージャー)」はこのほど、中国の西安市と業務提携した。途家のこれまでの日本戦略では、新潟県魚沼市、滋賀県大津市と観光連携するなど、ハイエンドな中国人の個人旅行向けの展開が相次いだが、西安市との提携で日本人のアウトバウンドをターゲットとしたプロモーションを加速する。このほど都内で開かれた記者会見で、途家の最高業務責任者(CBO)を務める李珍尼(リー・ジェンニー)氏(※尼は女へんに尼)は、「中国で民泊を体験したいというニーズは着実に増えている。多くの日本人により深い中国を知ってもらう機会にしたい」と意気込みを述べた。
途家に掲載されている西安の物件数は約3万件。李氏は「西安の民泊は17年から18年にかけて顕著に成長し、18年11月時点で前年比5倍増となった。今後2年で、さらに3万件を追加したい」と意欲を示した。今後は西安市と共同で国内外への情報発信を実施するほか、民泊投資ファンドを設立して複数事業者とともに新たに宿泊施設を開業することも決定しているという。
20年までに6万件に対象施設を拡大する計画では、大唐西市をはじめとした中国の歴史を体感できるエリアで、ハイエンド向けの民泊物件を増やしたい考え。今年中に西安市と共同で「民泊大学」を設立し、民泊の許可届出や接遇などホスト向けのトレーニングを実施する。
また、西安市の民泊施設を「economy」「comfortable」「luxury」の3つにカテゴリー化。外国人向けは基本的に英語で対応するほか、途家やCtripを通じた予約では、日本語をはじめとする24時間の多言語サービスも提供する。李氏は「途家は西安市と民宿オーナー、社会との架け橋となり、Win-Winの関係を築いていきたい」と話した。
なお、記者会見では西安市人民政府副市長の徐明非氏をはじめとする政府、観光関係者が西安から来日し、日本の旅行業界向けの観光プロモーションを実施。徐氏は「政治的要因や自然災害などさまざまな要因が絡み合って減少していた訪中日本人客数は回復基調にある。レジャー、教育旅行、民泊など、さまざまな側面から、日本人に関心を持ってもらえる旅行商品をともに開発していきたい」と訴えた。