創業25年で年間100万人規模に
牽引役のドリームクルーズ、20万トン級2隻投入も

船の中のクルーズ船？－ドリームクルーズの「隠れ家」とは

「パレス」専用ラウンジ

　ドリームクルーズで「洋上の隠れ家」をコンセプトとする「パレス」は、「ゲンティンドリーム」と「ドリームワールド」の船内に設けられた約140室のスイート客室の専用エリアで、専用のレストランやプールデッキ、ラウンジ、カジノまで専用施設が用意され、24時間対応のバトラーサービスなどワンランク上の船上生活を楽しむことが可能。さらに、パレスではオールインクルーシブ制が導入され、一部を除くバーとラウンジで使用可能なプレミアムドリンクパッケージが付くほか、通常は有料での提供となっているスペシャリティーレストランのディナーまたはランチ（セットメニューと飲み物）が1日1ヶ所で無料となる。

　このように「パレス」の内容はハード面だけでなくサービス面でもラグジュアリー船のそれに近づいたものとなっており、いわば超大型のプレミアム・クルーズシップの船内に、もう一つラグジュアリー船が搭載されているようなものといえる。

人気を支えるハイレベルなエンタメと飲食

China's Got Talent

　エンターテインメントと飲食の魅力もドリームクルーズ躍進の原動力となっている。たとえばドリームクルーズの「ゲンティンドリーム」の場合、アクロバットや音楽、ダンス、歌と映像・音響効果を巧みに組み合わせたショー「SONIO」が乗船客にも高い人気を博している。また中国の人気タレント発掘番組をモチーフにしたショー「China’s Got Talent」では、スリル満点のアクロバットや超絶技巧のパフォーマンスを生鑑賞できる。

洋上で楽しむグルメ体験

　こうした優れたエンターテインメントを提供できる理由の一つがゲンティンクルーズラインのエンターテイメント部門を統括するコリン・ケール副社長の存在だ。同副社長は、もともとはパフォーマー出身で舞台に立っていた経験も豊富。エンターテインメントの世界を知り尽くしており、世界中から優れたエンターテイナーやコンテンツを発掘し起用する眼力がある。また、そういう人物が常に目を光らせているだけに演じるパフォーマーたちも常に全力で演じている。ゲンティンクルーズラインの乗船客たちが常にハイレベルなエンターテインメントを鑑賞できる背景にはそうした理由もある。

どれでも1品1シンガポールドル（約80円）で夜食を楽しめる24時間営業レストランも

　飲食に関しては船の規模を生かして多彩なバリエーションを提供できる強みがある。「ゲンティンドリーム」や「ワールドドリーム」には船内各所に約35カ所ものレストランやバーがあり、無料で利用できるメインダイニングではアジア料理や中国料理、インターナショナル料理を提供。

　有料のスペシャリティーレストランでは高級中華や日本食＆鉄板焼、ステーキ料理、オーストラリア料理などを提供している。オーストラリア料理などが楽しめる「シーフードグリル＆プライムステーキハウス」で提供するオーストラリア料理は、人気シェフのマーク・ベスト氏が監修しており、街なかにあるグルメレストランに勝るとも劣らない味とサービスを提供している。