日本旅行・グローバルビジネストラベルに聞くBTM戦略、企業側の注目増で追い風
付加価値と効率化で訴求
OBTも積極的に提案へ
アメリカンエキスプレス・グローバルビジネストラベル(GBT)と日本旅行(NTA)が出資する日本旅行・グローバルビジネストラベル(GBT NTA)。出張手配から出張者のサポート、データ分析によるコスト削減など、出張管理業務全般を総合的にサポートするBTM事業について、BTMを全拠点で実施したいグローバル企業向けに展開するとともに、出張者のニーズを重視する日系企業向けには従来型の出張手配・管理サービスを提供している。
最近では、さまざまな国際情勢の変化から日系企業のあいだでもBTMへの関心が高まっているといい、今後BTM領域での競争が激化する見通し。そのなかで、GBT NTAはどのようにビジネスを拡大させていくのか。同社社長の内山博生氏に話を聞いた。
内山博生氏(以下敬称略) BTM部門では、GBTのグローバル契約、もしくはグローバル契約に基づいた日本でのローカル契約で事業を展開している。昨年は新規顧客も多く、収益に寄与した。一方で、出張者のニーズを重視する「インハウス部門」では、日系企業各社の業績がよく出張も増加傾向にあった。新しい日系企業との取引はそれほど増えてはいないが、契約各社との取引量は増えた。BTMとインハウスを合わせて、取扱高は前年比で1割弱の伸びとなった。
GBT本体はコスト管理に厳しく、GBT NTAとしてもさまざまなツールやアプリケーションを導入するとともに、地道なコスト改善と業務のオートメーション化、業務プロセスの見直しを進めた。その結果、コストを増やすことなく収益を上げていくことに成功し、税引き前利益も前年より大幅に増やすことができた。取扱高が増えることで市場でのプレゼンスや知名度も高まる。コスト構造の変化は近未来に向けてもプラスに作用していくだろう。
日本でも、従来の出張管理からBTMに移行する日系企業が増えている。他社の戦いで勝ち抜いていくためには、新しい付加価値とコスト効率で、より競争力のある価格を提供できる体質に転換していくことが求められるだろう。
内山 基本的にグローバル企業とは日本に本社のない企業だが、日本に本社のあるグローバル企業も日系企業ではなくグローバル企業として位置付け、BTMのターゲットにしている。GBT NTAとではなく、GBT本体と契約があり、我々が対応するケースもある。
GBT NTAとして日本に本社を置き世界で活動している大きなグローバル企業との取引はないが、一般的にそうした企業でも、出張管理をBTMに集約していく企業は多くなっている。
GBTは、グローバルTMC大手のホグ・ロビンソン・グループ(HRG)を買収した。日本では、トッパントラベルサービスが「HRG Japan」として提携していたが、今後は日本のHRGの顧客をGBT NTAで引き継ぐことになる。引受は今年半ばを目途に終わらせたい。
グローバルでは、HRGの名前は残すようだ。GBTとHRGがそれぞれ直轄している地域では、ほぼ統合が進んでいると聞いている。