イラン、5つの世界遺産を持つ南部ケルマーン州を紹介
イランの旅行手配業務をおこなうペルシアツーリズムグループは1月24日、「イランセミナー」を開催しイラン南部のケルマーン州の観光素材を紹介した。同州に対する外務省の危険情報もレベル2に下がり、今年は日本・イラン国交樹立90周年を迎えることから、同国への日本人旅行者の送客拡大に期待が寄せられている。
ペルシアツーリズムグループ代表取締役のエマミエ・セイエド・アバサリ氏は、ケルマーン州について、「イランで最も広い砂漠がある一方、オレンジやピスタチオなど農業も盛ん。最近の調査では、世界最古の文明が存在していたことも分かってきた」と説明。加えて、同州には古代遺跡の「アルゲ・バム」、ペルシャ式庭園の「シャーズデ・ガーデン」、世界で最も暑いといわれる「ルート砂漠」、洞窟住居の「メイマンド村」、地下水路の「ゴーハル・カナート」の5つの世界遺産があることを紹介した。そのうえで、「ケルマーン州は、豊かな自然と文化がある魅力的な観光地。安全なツアー催行に向けて必要な措置をとっている」と話し、参加旅行会社にツアーの造成を呼びかけた。
セミナーでは今後日本市場で期待が持てるデスティネーションとして、ジーロフトとルート砂漠の素材を紹介。ジーロフトは古代都市「アラッタ文明」発祥の地で、メソポタミア文明と同時期の出土品も発掘されているという。テヘランとは異なる文化や食があることから、新しいイランの観光地として成長が期待されている。
一方、ルート砂漠は摂氏70.7度を記録したことがある世界で最も暑い乾燥地だが、世界自然遺産として認められた多様な地形がおりなす絶景を楽しむことが可能。春、秋、冬は、昼夜の寒暖差は大きいものの観光に適した環境になるという。また、砂漠の近くには新たにコテージタイプの「セターレ・エコキャンプ」がオープンしたことも紹介された。
このほか、セミナーにはターキッシュエアラインズ(TK)も参加。旅客営業部の冨岡高廣氏が、イスタンブールからイラン5都市に飛んでいることを紹介したほか、テヘラン以外へのフライトは接続時間が長いため、ストップオーバープログラム「よっ得!イスタンブール」の活用を呼びかけた。また、日本路線について、現在は成田/イスタンブール線の週7便だが、需要が回復していることからB787の受領に合わせて来年には成田線の昼間便を復活させる計画があることも明らかにした。