OTOA、出国税「知恵絞り海旅にも」-ANTOR会長にマゼンク氏
日本海外ツアーオペレーター協会(OTOA)は1月8日、都内で新年会を開催した。冒頭で登壇した会長の大畑貴彦氏は年頭の挨拶を、前日に徴収が始まった国際観光旅客税(いわゆる出国税)の話題から開始。「国策の観点からは、主に訪日旅行向けの使い道がほとんどになることは理解している」と述べた上で、「日本人と外国人の双方から徴収することを考えると、海外旅行拡大のための活用という点では負担者の理解を得るには少々難しいのでは」と指摘した。
そのために業界が取るべき対応としては「安直に海外旅行の施策に税を要求するのではなく、皆様と知恵を絞り、負担者の納得も得られる、先進性と費用対効果が高い取り組みを熟考すること」が必要との考えを表明。「効果的な施策を打ち出したい」と協力を求めた。
そのほか今後の活動については、ここ数年は観光庁も各国との双方向交流の拡大を重視していることについて述べた上で、政府が進める「安全情報共有プラットフォーム」の構築に協力する方針を説明。一昨年に設立された日本旅行業協会(JATA)のアウトバウンド促進協議会の活動にも引き続き取り組み、官民が目標とする20年の日本出国者数2000万人を達成したい考えを示した。昨年1月から登録が義務付けられた「旅行サービス手配業者」や、事業間取引の適正化などに関するコメントはなかった。
続いて挨拶した観光庁長官の田端浩氏は出国税については語らず「外交にとっても重要」な双方向交流拡大の重要性について強調。全日空(NH)が今年から羽田/ウィーン線と成田/パース線を運航すること、あわせて同日には一部のメディアがNHの成田/チェンナイ線開設について報じたことなどを取り上げ「旅行業界にとっては良い環境になってきている。航空座席数の面では海外旅行にもメリットが生まれている」と述べ、旅行会社のデスティネーション開発やチャーター便の増加などに期待した。
JATA会長の田川博己氏は、東京五輪を開催する20年は海外旅行者数の伸びが鈍る可能性が考えられることを説明した上で「19年中に2000万人達成の芽が見える流れを作りたい」と強調。田端氏のチャーター便増などに関する要望については「微妙な問題もあるが、座席がなければ出国はできない。しっかりと承っておきたい」と答えた。
乾杯の音頭をとったフランス観光開発機構在日代表のフレデリック・マゼンク氏は、自身がこのほど駐日外国政府観光協議会(ANTOR-Japan)の会長に就任したことを明らかにした。同会の会長はクロアチア政府観光日本代表だったエドワード・トゥリプコヴィッチ・片山氏の退任後、マレーシア政府観光局東京支局長のノール・アズラン氏が暫定的に務めていた。