BA、20年ぶりの関空/ロンドン線に自信、出張需要の取込も
ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)は2019年3月31日から、関空/ロンドン線を週4便で運航する。BAは1998年10月まで同路線を運航しており、約20年ぶりの運航再開となる。日本・韓国・タイ地区支社長のモラン・バージャー氏は本誌のインタビューに対し、「関西マーケットの欧州へのポテンシャルは高い。需要は十分にある」と自信を示した。
バージャー氏は、再開の背景として「撤退した20年前とはマーケット環境が異なる」と説明。関西マーケットはアウトバウンド、インバウンドとも需要は高いため「双方のバランスをとって集客したい」と話した。販売については、成田、羽田線と同じく「顧客により多くの選択肢を提供するために、従来の旅行会社やOTAなどのトレードパートナー、あるいは直販も含め、あらゆるチャネルで販売していく」考え。
アウトバウンドについては、多くの関西企業がロンドンを中心とした英国に進出し、ここ数年でビジネス需要が増えていることに期待を示した。レジャーについては「底堅い人気がある」との見方を述べた。
インバウンドについては、日本政府観光局(JNTO)によると17年の訪日英国人旅行者数は前年比6.2%増29万2458人。今後も19年のラグビーW杯やG20大阪サミット、20年の東京五輪、21年のワールドマスターズゲーム関西など、訪日客増の要因となる大型イベントが目白押しだ。バージャー氏は「特にラグビーについては、ヨーロッパでは日本では考えられないほど大きな関心事」と強調し、日本は「話題の中心にある」と付け加えた。
このほか、同氏はイベリア航空(IB)と日本航空(JL)、フィンエアー(AY)との共同事業について言及。AYは19年3月31日から関空/ヘルシンキ線を現在の週7便から週10便に増便する計画を発表しており、これにより関空/欧州間のネットワークはさらに拡大することになる。
これに対し、バージャー氏は、「各社とも日本/ヨーロッパ路線は成長市場だと見ている」とコメント。AYとは就航都市が異なること、BAはロンドンを拠点とした西ヨーロッパ、AYはヘルシンキを拠点とした北欧・東ヨーロッパと乗継需要における棲み分けはできているとし、「関空線を再開しても需要は十分にある」と強調した。なお、関空線ではJLとコードシェアを実施する。
また、2020年に予定されている羽田発着枠の拡大については、「BAとしては、いつもネットワーク拡大の機会を検討している」と語るにとどめた。成田線については、「成田と羽田は市場の特徴が異なっており、レジャー需要が中心の成田線も存在価値は高い」との認識を示した。
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