南アとキャセイが合同セミナー、20代女性や教育旅行への取組強化
南アフリカ観光局とキャセイパシフィック航空(CX)は10月31日、CXが11月13日から香港/ケープタウンを週3便で季節運航することを記念して合同セミナーを開催した。南アフリカ観光局トレード・リレーションシップ・マネージャーの近藤由佳氏は、今年の1月から8月までの日本人訪問者数が前年比約2%増の1万7663人であることを報告。日本人訪問者数のピークは10月であることから「年間の訪問者数は3%増を想定している」とコメントした。
同局の日本人のターゲットは50代以上。近藤氏は、JTB総合研究所の年代別の旅行意向の調査から、50代以上が今後海外旅行に行く頻度を減らす見通しがあることを説明したうえで、出国率の高い20歳から29歳の女性もターゲットとする方針を発表。具体的には期間が長く費用もかかる周遊型ツアーではなく、特定の都市に特化した5日から6日間で完結できる旅行を提案していく考えを述べた。
また、今後はターゲットに対し、スポーツ大会などに参加するツアーを打ち出す方針。世界中から3万5000人以上が参加する「ケープタウンサイクルレース」や、1970年から続く「トゥーオーシャンマラソン」などをアピールする予定という。
さらに、先ごろの学習指導要領の改定に伴い、2020年よりSDGs(Sustainable Development Goals)の考え方が教育課程などで推進されることになったことを説明。SDGsは15年に国連サミットで採択された、持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現のための17の国際目標のこと。近藤氏は「南アフリカには環境や動物の保護センターがあり、SDGsの『海・陸の豊かさを守る』の目標とも一致している」と語り、教育旅行や研修旅行の提案を積極的に実施する考えを述べた。すでに、学校の先生向けのワークショップを開催するなどの取組を進めているという。
このほか、セミナーではCXから東日本旅客営業部セールスマネージャーの入船氏と菊島氏が登壇し、新規就航する香港/ケープタウン線を案内。東京から同路線へ最短2時間で乗り継げることや、ケープタウン着が午前6時55分であるため、南アフリカ国内への同日乗継が可能であることをアピールした。同路線は19年2月18日までの季節便として運航するが、実績次第では通年化の可能性もあるという。