2037年の航空旅客は82億人、IATA予想-保護主義台頭なら成長鈍化も
国際航空運送協会(IATA)はこのほど、2037年時点の航空旅客数が82億人に増加するとの予想を発表した。これは平均で1年あたり3.5%ずつ増え、18年比では2倍近い増加となる予測だ。また、これによる雇用創出効果は1億人にのぼるという。
地域別ではアジア太平洋が最大の牽引役で、これからの20年間で増えていく旅客のうち半数がアジア太平洋内から。特に中国は2020年台半ばに米国を抜いて最大の航空市場となる予測で、また同時期にはインドも3位に躍り出ると見る。インドについては17年比では7位からの急上昇で、さらに37年に4位に位置づけられたインドネシアも17年の10位から大幅に増加するとの予想だ。
37年時点での地域別内訳は、アジア太平洋が17年比で23億5000万人の新規旅客を生み出し、合計では39億人の市場を形成。平均の伸び率は4.8%増となる。また、北米は2.4%ずつ増加し、合計で5億2700万人増え、14億人規模となる。
欧州は2.0%ずつの伸び率で611万人増の19億人。ラテンアメリカは3.6%増で、3億7100万人増えて7億3100万人。また中東は4.4%増で2億9000万人増の5億100万人、アフリカは4.6%増で1億9900万人増の3億3400万人と予想した。
なお、IATAでは、世界情勢のなかで保護主義的な政策が広まると成長の伸び率は鈍化すると警告しており、自由化の程度によって平均の伸び率で2.4%増から5.5%増までの幅を持たせている。