延岡のホテルメリージュが特別清算-別名で営業継続

  • 2018年9月3日

 東京商工リサーチ(TSR)によると、宮崎県延岡市のホテルメリージュ延岡はこのほど、宮崎地方裁判所から特別清算開始決定を受けた。負債総額は約18億3000万円。同社は1996年に地元の有力企業など65社の出資によりホテルメリディアン延岡として設立され、98年に会議や婚礼なども可能な同名のシティホテルを開業。その後、2000年に「ホテルメリージュ延岡」に名称を変更した。

 客室数は125室で、そのほか大中小の宴会場10室、会議室1室などを有し、ピークの07年12月期には約10億7800万円の売上高を計上していた。しかし建設当初の設備資金として導入した有利子負債の償還が進まず、10年12月期中には7000万円の増資と1億円の無償減資を実施。それでも期待通りの成果は上がらず、宮崎県中小企業再生支援協議会に支援を要請し、借入返済のリスケジュールを受けて再生に向けた一歩を踏み出していた。

 13年12月期には筆頭株主からの役員招聘や役員刷新、組織改革、取引業者の見直しなどの改革を実施。翌年度には外部コンサルタンと経営再建計画を練り直しも実施した。しかし客室稼働率の低下や婚礼の減少などにより、年間売上高は約7億円にまで落ち込んだ。

 09年12月期から16年12月期までについては8期連続で赤字を計上。17年12月期には土地や建物など固定資産の減損処理をおこない、減損損失約21億8600万円を計上した結果、22億円を超える赤字を出して債務超過額が大幅に拡大した。

 これにより自力再生が困難と判断してスポンサー企業を探し、今年4月にはエンシティホテル延岡運営管理にホテル事業を移管。ホテルメリージュ延岡は存続期間を6月9日までと設定した上で、翌10日に存続期間満了により解散した。

 なお、ホテルの営業は6月1日にエンシティホテル延岡運営管理を吸収合併したエンシティホテル延岡が、同名の「エンシティホテル延岡」に名称変更した上で継続している。