スクート、日本支社設立で事業拡大-増便・新路線計画も

▽日本人利用者が6割に増加、OTA経由が伸長

坪川氏 坪川氏は、2012年10月の成田/台北/シンガポール線の就航以来拡大を続け「現在はすべて黒字化している」という日本路線については「13年度第1四半期(4月~6月)の日本発利用者は3割にとどまっていたものの、18年度第1四半期には6割まで増えた」と振り返り、日本市場への浸透をアピールした。なお、日本路線の搭乗者数は、13年は1路線のみで約14万人だったが、昨年8月から今年7月までの直近1年間では、約50万人に増加したという。搭乗率は、13年は通年で81%だったが、直近1年間では88%となっている。

 利用者の割合については、13年は日本発の利用者の75%がリアルエージェント経由、20%が自社サイトでの直販、5%がOTAやメタサーチ経由だったが、現在はリアルエージェントが35%程度、自社サイトが35%、自社アプリが5%、OTAやメタサーチが25%と、構成は大きく変化しているとのこと。坪川氏はOTAやメタサーチ経由の伸びが大きいことを指摘した一方で、割合を大きく落としているリアルエージェントについては、総旅客数が拡大していることを踏まえて「(利用者数が)減った感じはない」と述べた。

 そのほか、19年度末に予定されているピーチ・アビエーション(MM)とバニラエア(JW)の統合や、20年夏の日本航空(JL)の中距離LCC参入などによる環境変化については「過去の5年間ほどを見ても、競合他社の新規参入は多かった。また、我々はLCCだけではなく、旅行会社との協力でLCCに近い価格を打ち出すFSCとも勝負してきた」と強調。「競争はより厳しくなるが、あくまでも新しい競合他社が1社増えるだけのこと。市場のニーズに敏感に反応してきた、これまでの経験値で勝負する」と意気込みを示した。

 グアムなどを中心に、航空各社の便数や座席数が大きく変動しているミクロネシア方面については「旅行会社からは要望があるが、機材や人員には限りがある。現時点で優先順位は低い」とコメント。当面は参入する可能性がないことを明らかにした。

 なお、TRの日本支社は6月から成田/バンコク(ドンムアン)線のデイリー運航を開始したノックスクート(XW)の日本支社も兼ね、坪川氏はXWの日本支社長を兼務する。同路線については、6月の搭乗率が83%となったことを説明した上で「想定をわずかに下回ったが、TRの同区間の搭乗率が90%を超えることを考えれば満足できる数字」と評価。今後はTRと同水準にまで搭乗率を引き上げるとした。