現地レポート:カナダ、プリンス・エドワード島、「食旅」の魅力

  • 2018年7月13日

モントリオール線就航でアクセスも便利に
生産者と共に楽しむガストロノミー

チーズやワインをテイスティング

チーズ好きにはたまらないGlasgow Glen Farm  酪農王国でもあるPEIではチーズの生産も盛んだが、オランダ移民が多かったことから、特にゴーダチーズが有名。今回は16種類のゴーダチーズを生産している「Glasgow Glen Farm」を訪れた。それぞれテイスティングした上で直接購入することもでき、造りたてのゴーダチーズを使ったピザなどのランチも楽しめる。

 PEIの食をテーマにした観光の特徴は、生産者との距離が近いところにある。Glasgow Glen Farmでは生産者自らがチーズの作り方を説明してくれる。

日本では珍しいハニーワイン  また、ハニーワイン(蜂蜜酒)を醸造している「Island Honey Wine Company」もオーナー自らが特徴や作り方を教えてくれる。このワイナリーは2017年にオープンしたばかりだが、すでに数々の受賞歴もあり、事前予約ベースで催行されるワイリーツアーでは、PEIの豊かな土地で育まれた甘いワインをテイスティングすることもできる。


街歩きや食べ歩きが楽しいシャーロットタウン

カラフルな家々が立ち並ぶシャーロットタウン  PEIの州都シャーロットタウンでは、「Taste the Town」という食のツアーを楽しんだ。催行するのは地元オペレーターの「Experience PEI」。30以上の体験コースを提供している。Taste the Townコースでは通常8店舗を巡るが、今回は5店舗。いずれも地元を代表する飲食の名店ばかりだ。

 「Lobster on the Wharf」ではオイスターを試食し、「Brigh Music & Tea」ではオリジナルティーを試飲。「Liquid Gold」ではさまざまなフレーバーのオリーブオイルを飲み比べ、「Claddagh Oyster House」では新鮮なムール貝を試した。最後は「The Gahan House」で地ビールのテイスティング。いずれも徒歩圏内で、シャーロットタウンの観光名所を巡りながら、食の体験もできる一挙両得なツアーだ。

シャーロットタウンを代表する「セント・ダンスタンズ・バシリカ教会」  シャーロットタウンはカナダの歴史において欠かせない都市でもある。1864年、シャーロットタウンのプロビンス・ハウス(州庁舎)でカナダ連邦 (コンフェデレーション)結成の会議が開催された。参加したのは、東部沿岸の州であるPEI、ノバスコシア州、ニューブランズウィック州。これにオンタリオ州とケベック州も加わり、現在のカナダ連邦の基礎を築いた。「会議が開催されたとき、シャーロットタウンにはサーカス団が来ており大賑わい。街の人達にとっては、会議よりも酒とシーフード三昧の3日間。だから、カナダは飲んだくれの中で建国されたの」とTaste the Town のガイド・ポーリンさんが教えてくれた。