現地レポート:カナダ、プリンス・エドワード島、「食旅」の魅力

  • 2018年7月13日

モントリオール線就航でアクセスも便利に
生産者と共に楽しむガストロノミー

春のPEIでは色とりどりの花が咲き誇る。写真はオーウェル・コーナー歴史村  エア・カナダ(AC)が6月に成田/モントリオール線を就航し、カナダ東部への便数が増えたことで日本からのアクセスがますますよくなったプリンス・エドワード島(PEI)。「赤毛のアン」の舞台として知られるカナダ東海岸の州で、アンの世界を求めて日本から多くの観光客が訪れるが、PEIの魅力はそれだけではない。セントローレンス湾から大西洋に続く豊かな漁場や肥沃な赤土の土地から、最近では「食」をテーマにした観光が注目を集めている。今回はPEIのファムツアーに参加し、魅力を探った。


ロブスターやカキなど多様な海の恵み

PEIの食のシンボルとなっているロブスター  PEIは漁業が盛んだが、最も有名なのはロブスターで、毎年5月1日が解禁日。海にはロブスター漁の船が浮かび、市場には水揚げされた新鮮なロブスターが並び、レストランは地元の人たちや観光客で賑わう。PEIの人たちにとって、ロブスターは日本で言うところの初鰹や秋サンマのような存在で、初物は季節を感じる特別なものだという。

 最もオーソドックスな食べ方は、茹でて真っ赤になったロブスターの胴体と手を豪快に折り、その身を溶かしバターにつけながら食す方法。爽やかなコールスローが箸休めだ。日本でカニを食べるときのように無口になってロブスターと格闘する。地元の人たちは皆食べ方を熟知しており、殻から身を上手にほぐし、きれいに食べるという。

 値段はサイズによって変わり、シャーロットタウンの有名店「Lobster on the Wharf」で食べたときは、1ポンド11カナダドル(約930円)。氷詰めにしたロブスターを日本へ空輸あるいは持ち帰ることもできる。

PEIのカキは「ブランドカキ」として流通する一級品  ロブスターの他にも、PEIはムール貝で北米最大の漁獲量を誇る。近海で取れるカキは質も高く、ニューヨークのオイスターバーなどではPEI産は高級品として扱われているようだ。夏になると、シュノーケリングでハマグリなどを採る潮干狩りなど、食と観光が一体となったアクティビティも人気を博している。