グローバル初開催のタヒチ商談会、多彩なプロダクトの魅力アピール
世界遺産や文化体験、「人とのふれあい」にも期待
ブランド維持しつつマーケット多様化へ
ポリネシアのフレンドリーさが鍵
PPTの最後には、各国の観光局と旅行会社を代表する6人が登壇してタヒチの観光推進に向けたパネルディスカッションを実施し、各市場とタヒチの旅行業者を結びつける策、タヒチ・ボラボラ・モーレア以外の島の販売、競合との比較について意見を交換した。
その中で、司会を務めたCEOポール・スローン氏はアンケート調査で、タヒチに抱くイメージが訪問前後で「パラダイス」「美」「ビーチ」から「フレンドリー」に変わったことを挙げ、「人とのふれあい体験」がタヒチでの大きな要素になりうると指摘した。
一方、観光省CPOのジョンストン氏はタヒチを「大衆向けではなく、手に入れるのは簡単ではないが、その価値がある黒真珠のようなデスティネーション」と形容する。LCCの就航、大型ホテルコンプレックスの計画もあるが、水上バンガローの誕生から50年以上たった今でもタヒチは「死ぬまでに行きたい場所」で、憧れの場所であることは変わらない。
ハネムーナー以外に対応する商品の幅を広げることは課題ではあるが、パネルディスカッションで日本支局COOの森氏が「50年の歴史が築いたタヒチのブランドを守っていくことが大事」と強調したように、価格競争に飲み込まれることなく、顧客の満足感をより高める方向での商品化へつなげたい。
なお、成田から直行便を運航するTNは、10月29日からの冬期スケジュールが現在の月・土曜発から火・土曜発に変わる。パペーテ発は深夜便となるため全泊離島滞在、2泊4日や3泊5日の日程も可能になる。この変更について、TNの営業・マーケティングマネージャーを務める松本めぐみ氏は、「5月にパリから就航したLCCのフレンチビー(BF)、下期のみサンフランシスコから運航するユナイテッド航空(UA)に対抗するため」と明かす。パペーテ発が深夜便になったのも、「今年1月から3月にかけてアメリカからのクルーズ客が多かったこともあり、タヒチ島のホテルが確保できず日本人客を逃すケースがあった」問題にTNが対応した形だ。
また、ボラボラ島への集中を避けるためTNは国内線のエアタヒチ(VT)とその他の離島へのプロモーションを進めてきており、その効果もあってランギロアやタハアへの訪問が増えているという。また、ダイレクトブッキングも増える中、ホテルを自由に組み合わせたい個人客に対応するため、エクスペディアでのキャンペーンも実施。TNは11月からB787-9型機を導入するが、同日現地着のイースター島チャーター便も好評で、今年も5本を運航、2019年も1月と3月の2本が確定している。
取材:平山喜代江