カナダ各州、シーズン平準化に向け新素材を提案-RVC2018(2)

  • 2018年6月29日

食や自然などをアピール、2州協力でのルートも提案
ケベック州、モントリオール線開設で日本支社開設へ

オンタリオ州
夏と秋に向け「アガワ渓谷」、都市も引き続きアピール

(左から)オンタリオ州観光局日本事務所アカウントマネージャーの田中氏、アジアパシフィック地区マーケティングマネージャーのハービー浜崎氏  17年のオンタリオ州への日本人旅行者数は約13万人。ナイアガラやトロントなど人気のデスティネーションがあるため、安定的な需要を確保している。今年は新たなデスティネーションとして、夏と秋のツアー向けに「アガワ渓谷」をアピール。カナダ観光局が展開する「WOWエクスペリエンス」のひとつであることから、今年はツアーも増えているという。日本事務所アカウントマネージャーの田中恵美氏は「FIT向けの商品としてセールスを強化している旅行会社も出てきた」と手応えを語った。

 このほか、引き続きプリンスエドワード島とのコラボレーションによる「東部グルメ街道」をアピールするほか、冬の需要喚起を目的として、クリスマスマーケットやナイアガラでのスノーフェスティバルなどイベントをからめた旅程の提案を進める。なお、10月にはオンタリオ州のサプライヤーを集めたセールスミッションを日本に送る予定だ。

トロント観光局日本・韓国地区マーケット・ディベロップメント・マネージャーの鈴木氏  トロント観光局では、「旅のストーリーを売っていく」(日本・韓国地区マーケット・ディベロップメント・マネージャーの鈴木正城氏)。そのひとつとして、1900年代初頭にカナダの大自然を世界に伝えた7人の画家集団「Group of Seven」を新たな観光素材として提案。彼らの絵画が展示されている「マクマイケル・カナディアン・アートコレクション」を紹介し、近隣のアウトレットモールと組み合わせたルートのツアー化を働きかけるという。ソーシャルメディアを通じて消費者に直接訴求する取り組みを強化する考え。

ナイアガラフォールズ観光局旅行業界担当マネージャーのベロショワ氏  ナイアガラフォールズ観光局は、6月にクリフトンヒルに開業したゴーカートのレースコース「ナイアガラ・スピードウェイ」を紹介。北米最大規模のコースであることから、「新たな街観光の目玉になるのではないか」(旅行業界担当マネージャーのアナスタシア・ベロショワ氏)と期待は大きいという。


ケベック州
モントリオール線開設で日本市場に大きな期待

(左から)ケベック州観光局アジア地区マーケットマネージャーのサイモン・グレナー氏、アジア・中国担当マーケットマネージャーの高玲氏  今年から新たにチームカナダに加わったケベック州観光局。ACの成田/モントリオール線が就航したことから、日本市場へのアプローチを強化しており、新たに日本オフィスを開設する準備も進めているところだ。

 提案するテーマは、「活気あふれる都市」「生活文化と歴史」「地元のグルメ」「アウトドアアドベンチャー」「自然の玄関口」の 5つ。現在は秋のメープル街道に需要が集中しているが、冬のフェスティバルなども訴求することで通年での需要喚起に努める。同局によれば、今年の日本人旅行者数は現在の倍となる約4万人をめざすという。