アフリカ最大のトレードショー「インダバ2018」開催、大統領交代で観光予算増
サファリの新たな楽しみ方などアピール
JATAも参加し観光大臣に来日要請
海と陸、セルフドライブのサファリに注目
次にインダバの会場内を見てみよう。大小さまざまなブースがあるが、めまぐるしく人が入れ替わり立ち替わりしていたのが、「Hidden Gem(隠れた小さな宝石)」の出展エリアだった。SMMEs(Small, Medium and Micro-sized Enterprises)と呼ばれる年間売上が4500万ランド(約3億2400万円)以下の中小事業者を対象にした商談スペースで、2年前から用意されるようになった。机と椅子だけしか用意されていないが、やる気に満ちた出展社と文字どおり隠れた観光素材を見つけようとするバイヤーの熱気に包まれていた。年を追う毎に出展社は増え続け、今年は135社が参加したという。
もうひとつの中小事業者対策が「スピードマーケティング」で、これはサプライヤーが1社あたり5分間の持ち時間で自社の素材やサービスをプレゼンテーションするもの。今回は日替わりで「遺産・歴史・文化」「タウンシップ」「野生動物とアドベンチャー」の3つのテーマが取り上げられ、連日盛況だった。
逆にメジャーな出展社もいる。例えば国立公園を管理する南アフリカ国立公園もそのひとつ。サファリで知られる広大なクルーガー国立公園をはじめ、管理下にある20以上の国立公園の最新情報を提供していた。「ガイド付きのゲームドライブは常に人気があるが、最近では自然保護意識の高まりに合わせ、マウンテンバイクによるツアーや知識豊富なレンジャーと行くブッシュウォーク、深い荒野を進むウォーキング・トレイルなどの人気が高まっている」と語るのは、同国立公園でアクティビティ・コーディネーターを務めるツェポ・マテブラ氏。日本人観光客の絶対数は少ないが、リピーター対策や若年層に向けて、こうしたサファリの楽しみ方の訴求について一考してみる価値はある。
またサファリつながりでは、ダーバンの北約300キロメートルのところにあるイシマンガリソ湿地公園内にある「マカカタナ・ベイ・ロッジ」なら、ゲームサファリに加えてビーチの散策や海のサファリも楽しめるという。「ゲストは98%が海外からの観光客で、日本人観光客も宿泊している」と、オーナーのヒュー・モリソン氏は語る。海と陸を両方楽しめるというポイントが人気を呼んでいるそうだ。
また屋外展示場には、サファリに使う自動車や観光バスなどの実物が展示されていた。その中で、セルフドライブのサファリを楽しむため、キャンプ仕様に仕立てた自動車のレンタルを行っているブッシュロアに話を聞いてみた。セールス担当のクライド・タイト氏は、「南アフリカでの運転やキャンプについて、全員に3時間の講習を行っている。安全について心配される方もいるが、都心を離れるほど治安は良くなり、また野生動物に襲われることはまずない」と述べる。
ちなみに料金は自動車によって異なるが、2万円前後から用意されている。利用者は欧州からの観光客が中心で、レンタル期間は16日から22日が多いという。日本人観光客の実情とは異なるが、南アフリカは日本と同じ左側通行で自動車の運転に違和感はない。セルフドライブによるサファリ観光は、知っておきたい情報のひとつといえよう。