JTB、来春にPTSを吸収合併、「第3の創業」の一環
JTBは、同社グループで主にクルーズツアーなどを取り扱うPTSを、来年4月1日付で吸収合併する。JTBによれば、今年4月に実施した「第3の創業」と位置づける大幅な体制変更の一環で、本来は今年4月を予定していたものの「会社の成り立ちや使用しているシステムなどに違いがある」などの理由により、1年遅れの実施になったという。
JTBは2014年に「JTBクルーズ事業部」を設立した際に、PTSの企画部門を同事業部に移管しており、今回吸収するのは残りの販売部門。店舗事業とコールセンター事業はJTBの個人事業本部に、法人営業は法人事業本部に吸収し、保険事業については営業を終了する。社員の雇用は、JTBおよびグループ会社での再雇用により維持する方針。
店舗については今後、JTBの通常の店舗やクルーズ専門店への転換、他店舗との統合などによる整理を検討する。なお、今月25日に開催した2018年3月期の決算発表会見で、JTB代表取締役社長の高橋広行氏(※高ははしご高)は、昨年度に実施した店舗の整理を今後も進める一方、「クルーズ専門店など、専門性の高い店舗を増やす」とコメントしている。
PTSは1959年に「太平洋観光」として設立。92年には社名を「パシフィックツアーシステムズ」に変更するとともに、セゾングループだったヴィーヴルのリテール事業と、西友の旅行事業を統合した。2003年にはJTBグループ入りした。
07年には再度社名を変更し、現在のPTSに。あわせて「PTSトラベルナビ」を設立し、店舗事業と保険事業を移管した。その後、09年には米国のリージェント・セブンシーズ・クルーズの日本地区販売総代理店となり、13年には経営体制の変更により、分社化したPTSトラベルナビを吸収合併している。
今年4月時点の事業所数は国内43ヶ所で、従業員数は357名。株式は99.98%をJTBが保有し、その他の0.02%をクレディセゾンが保有している。