アメリカン、日本でもNDC本格展開-旅行会社にコミッション提供

  • 2018年5月28日

渡辺氏  アメリカン航空(AA)のアジア・パシフィック・ディストリビューション・ストラテジー・マネージャーを務める渡辺雄次氏はこのほど本誌の取材に応え、国際航空運送協会(IATA)が推進する新規格のNDC(New Distribution Capability)に基づいた新たなツールの利用を、日本の旅行会社に積極的に呼びかける考えを示した。AAは10数年前から、IATAとともにNDCに関する取り組みを実施しており、昨年6月にはダラスで全世界の旅行会社向けに「NDCサミット」を開催。10月には渡辺氏の役職を新設して日本での営業を開始した。

 渡辺氏は「NDCを利用すれば、有料座席の指定や超過手荷物などのアンシラリーサービスを事前に予約でき、精算も可能」とメリットを強調。旅行会社がNDC対応のツールで航空券を予約・発券した場合は、1区間ごとに2米ドルの「NDCコミッション」を支払う特典を設けていることも説明した。今年の1月には日本国内で旅行会社向けセミナーを開催しており、これまでに数社の旅行会社と契約したという。

 同社はNDCによるコンテンツの利用方法として、3つのツールを旅行会社に提供中。1つ目はシステム会社と協力して開発したウェブサイト経由の接続で、旅行会社はAAが提供するIDとパスワードを入力してウェブサイトにログインし、航空券を予約・発券する。渡辺氏によれば「セットアップが簡単で、旅行会社は無料で利用できるが、取扱はAAの航空券の予約と発券のみに限られる」という。

 2つ目は、旅行会社が自社でシステムを開発して直接接続する方法。旅行会社にとってはコストがかかるが、業務に必要な情報を会社のバックオフィスシステムと連携でき、管理しやすいことなどから、大手旅行会社などに適しているという。

 3つ目はGDSを含むアグリゲーター経由の接続で、渡辺氏は「アグリゲーターはAA以外の航空会社ともNDC接続を可能にしているため、複数の航空会社のコンテンツを利用できるメリットがある」と語った。

※詳細は後日掲載予定