ペルーが2年ぶりにセミナーと商談会-「マチュピチュ以外」を訴求
ペルー政府観光庁は、日本で2年ぶりとなるワークショップ&セミナーを5月21日に東京で、23日に大阪で開催する。東京会場で登壇した、同庁インカミング・ツーリズム・コーディネーター・アジア&オセアニアのジェニファー・ピサロ氏は、最新のマーケット動向を説明。ペルーを訪れる全世界からの観光客数は2011年から右肩上がりに推移し、17年は前年比8%増の403万2339人まで増加したという。
同氏によると、観光客数の増加要因はペルー観光に対する世界的な注目の高まりによるもの。近年は国内ホテルのキャパシティ増加や国際線の新規就航に加え、国内線でもクスコ/イキトス、ピスコ線など、首都のリマを経由せずに地方を訪れる路線が拡充。需要に応えた利便性の向上が、旅行者数を押し上げたという。
日本人観光客数は2%増の4万8171人。13年に6万7639人となってから減少傾向にあったが、17年は増加に転じた。同庁日本事務所アカウント・マネージャーの野呂泰誠氏は、「一時期の爆発的な送客の反動で落ち込んだ時期があったが、昨年に立ち直りのきっかけを掴んだ。今年の4月に訪問した時も現地には多くの日本人旅行者がおり、また伸びていくと思う」と、手ごたえを語った。
さらに野呂氏は、観光立国をめざすペルーの観光素材と観光インフラが高度化していることを紹介。特にゲートウェイのリマは、ホテルやレストラン、博物館、エンターテイメントが充実し、「10年前と印象が変わり、驚かれると思う。観光インフラは先進国並み」と強調した。
宿泊施設では、ブティックホテルやデザインホテル、高級エコロッジなど、小規模で個性的な施設が増えており、シニアのみならずハネムーンなど若い世代の送客が増えていることを説明。セミナーではこれらの中からツアーの受入に対応する宿泊施設を紹介した。
グルメでは、「世界のベストレストラン50」の上位10位以内に2軒のレストランがランクインし、ワールドトラベルアワードでは6年連続で「世界で最も美食を楽しめる国」の1位になるなど、質の高さが世界的に知られているという。
セミナーではこのほか、17年に運行を開始した高級観光列車「ベルモンド・アンデアン・エクスプローラー」や、伝統的な織物をテーマにリニューアルした「アマノテキスタイルミュージアム」などを紹介。旅行先としては、断崖に人型の石棺が並ぶチャチャポヤスや、インカ以前のモチェ文明の遺跡や博物館を辿るモチェルートなどをあげ、マチュピチュやナスカの地上絵以外にも魅力的な観光素材が多くあることをアピールした。
なお、同庁では5月21日から、旅行業界向けeトレーニング「ペルー・トラベル・トレーニング」を開始。スペシャリストになった人には、販売促進の際に使用できる画像や動画、ポスターを提供するほか、10月ごろに予定する研修旅行に抽選で10名を招待するなど、各種特典を設けた。アカウントの登録は無料。
▽ペルー・トラベル・トレーニング
https://www.perutraveltraining.jp/