気仙沼のホテル望洋舘が破産開始決定、負債7億円

  • 2018年4月25日

 東京商工リサーチ(TSR)によれば、宮城県気仙沼市のホテル望洋舘は4月16日、仙台地方裁判所気仙沼支部から破産開始決定を受けた。負債総額は債権者約25名に対し約7億円。

 同社は1964年に設立。気仙沼地域では初の政府登録国際観光旅館として多くの観光客が訪れたほか、市民を中心に結婚式や会合の場としても利用され、1991年2月期の売上高は約7億6500万円に上った。しかし、その後は景気の低迷や施設の老朽化、他施設との競合激化などにより、2007年2月期には売上高が1億5216万円まで減少。それまでの赤字から債務超過に陥り、一部金融機関の債務が債権回収会社に譲渡されるなど、厳しい経営状況にあったという。

 その後、11年3月の東日本大震災の発生後は避難所として被災者を受け入れ、避難所を閉鎖した後は復旧工事関係者やボランティアなどの利用で一時的に業績が回復。12年から14年3月まではホテルの運営を復興ファンドに委託するなどして経営を継続した。

 しかしホテル周辺の復旧が進み、宿泊需要が落ち着いたことなどにより、16年2月期の売上高は約7500万円まで減少。事業継続のためには老朽化した施設の改修に多額の投資が必要だったことから、17年3月で営業を終了し、今回の措置となった。

▽訂正案内(編集部 4月25日 16時50分)
訂正箇所:タイトル
誤:仙台

正:気仙沼
お詫びするとともに訂正いたします。