旅行業・観光業DX・IT化支援サービス

インタビュー:ANAセールス取締役旅行事業本部長の浅田康夫氏

  • 2018年4月18日

顧客志向で収益拡大、今年は規模拡大へ
ハワイはA380導入に向けさらに強化

 全日空(NH)は2019年春以降、東京とホノルルを結ぶ路線にA380型機3機を導入し、座席供給量を大幅に増やす。ANAグループがこのほど発表した18年度から22年度までの中期経営戦略では、旅行・セールス事業において、「WEBとヒューマンサービスの融合への変革」、「パッケージ商品の構造改革と収益源の多様化」を掲げている。こうしたなか、ANAセールスの今後の戦略について、同社取締役で旅行事業本部長を務める浅田康夫氏(※インタビュー時点では執行役員経営企画部長・CS推進室長)に伺った。


-ANAセールスの中期経営戦略について教えてください

浅田康夫氏(以下敬称略) ANAグループの中期経営戦略に合わせて、我々も22年度までの戦略を策定し、目標として「デジタルマーケティングを通じたワン・トゥ・ワンコミュニケーションとヒューマンサービスの融合で、オンリーワンの旅行会社になる」ことを掲げた。

 具体的には、直販のみで展開中の添乗員付き海外パッケージツアーで、予約から旅行中、旅行後のアフターケアまで、スタッフや添乗員がお客様とのやり取りにおいてしっかりとコミュニケーションをとるようにする。一方で、ダイナミックパッケージツアー(DP)でデジタルマーケティングを強化する。お客様のニーズにあわせて、求めるものを、求める時・場所・価格で提供することをめざす。

 17年度は旅行市場のウェブ化が進むとともに、グローバルOTAの台頭により、航空券をNHの公式サイト「ANA SKY WEB」で購入し、宿泊施設はOTAのウェブサイトで購入する、というお客様が増えた。これまでは「パッケージツアーは安くて便利で安心」という「パッケージツアー神話」があったが、昨今は自分の好きなものを好きなウェブサイトで買う傾向が生まれており、パッケージツアー全体が大きな曲がり角に来ていると感じている。

 こうしたなか、今後は主力のパッケージツアーの販売モデルの変革を進めるとともに、ホテルなどの旅行素材の販売や団体営業を強化し、お客様一人ひとりのニーズに即した価値提供をしていき、収益源を多様化していきたい。