JTB、企業の災害時拠点変更支援サービスで専用保険発売
JTBは4月4日、昨年11月に販売を開始した、企業のBCP(事業継続計画)支援サービス「RECOVALUE(リカバリュー)」の契約企業用の保険商品「BCP対応費用保険」を発売した。グループ会社のジェイアイ傷害火災保険と共同で開発したもの。
リカバリューは大規模災害時などに企業がBCPに基づき拠点を移動する際、JTBが宿泊や移動の優先手配や、危機管理情報の提供などをおこなうサービス。契約企業は年間のサービス利用料に加えて、災害時に宿泊・移動費用を別途支払うが、保険で宿泊・移動費用の80%を補償する。保険料は補償金額100万円につき7万円。
リカバリューについては現在、首都直下地震などの際に首都圏から関西へ移動するBCPを策定している企業を対象に営業活動を続けているところ。JTBによれば、現時点で契約済みの企業はないが、複数の企業が検討を進めているという。
リカバリューの利用料は、例えば20名が拠点を移動するBCPではシステム導入などの初期費用が約65万円。宿泊施設の即時手配費、危機管理情報配信システムの利用料などを合わせた年間費用が1年あたり約600万円となる。別途必要となる宿泊・移動費用は、例えば20名が2週間、1名あたり1泊2万3000円の宿泊施設に泊まった場合、交通費込みで628万円となるが、「BCP対応費用保険」で80%にあたる500万円を補償する。この場合、保険料は35万円となる。
なお、補償の対象は震度6弱以上の地震発生時に、東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県にある建物に損害が発生した場合や、ライフラインの機能が停止した場合など。