トップインタビュー:アップルワールド新社長の須崎氏、取締役の唐津氏
買収後もホールセールに注力
ホテル在庫とニーズのマッチングに注力
-買収後の目標をお聞かせください
須崎 APWHD単体の具体的な目標は未設定だが、じげんでは20年3月期(19年4月1日~20年3月31日)までの中期経営計画において、売上収益、営業利益で毎年25%増をめざしている。APWHDについても、その目標に準じた成長をめざす。今後は両社で意見交換をしながらUIやUXの改善をはかるなど、ともに課題を抽出し、解決していきたい。
-現在の旅行市場についてはどうお考えですか
須崎 旅行は日本の産業のなかでも大きな市場であり、潜在性は高いと思う。人口減少に合わせて旅行者数は減少するかもしれないが、働き方改革などで、より余暇を大切にする動きも出てくるだろう。そうすると、海外・国内旅行ともに、1人あたりの回数は増えると予想されるので、市場自体がシュリンクしていくとは限らない。じげんは市場の隅の方にいるが、できることは多いと思っている。
唐津 ホテル以外の商材についても考えてみたいとは思うが、旅行会社のニーズによるだろう。まずはホテルのホールセールに注力する。
-技術の進歩でホテルの直販化はますます進むことが予想されますが、BtoB事業の将来性についてどうお考えですか
須崎 10年先のことは分からないが、大手旅行会社と特定の地域やテーマを専門とする旅行会社のように、市場の二極化が進んでいくとは思う。ただし、市場の規模を考えたときに、この二極だけで事が足りるのかどうかは疑問だ。他の産業を見ても完璧な二極化は起きていないので、旅行業界でも起こらないのではないか。
ロジックだけで言えば、不動産業界でも「仲介業者はいらないのではないか」という議論がある。しかし、仲介業者は仲介業としての価値を提供しており、お客様もそれを評価している。
唐津 日本はパッケージツアーが主体で、FIT化の流れができるのが遅かった。しかし、近年はSITが好まれるなど、旅行の形態は変化しており、旅行会社が造った商品では満足できない人も出てきている。そうした人々に、いかに最適なサービスを提供するのかが、旅行会社が生き残るために重要なことではないか。そのために、各社それぞれが特徴を出していくのだろう。
BtoBについては、日本人の海外・国内旅行だけでなく、海外発の海外旅行などを取り扱うことで、大きくチャンスは広がると考えている。
-ありがとうございました
※訂正案内(編集部 2018年2月21日19時30分)
買収後の目標について、一部訂正いたしました。