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週間ランキング、1位はタビックスや東日など持株会社、2位は田川会長

[総評] 昨年末にお伝えしていた通り、ランキングの集計方法を変えたのですが、早速変化が表れました。もともとは各記事のページビューを単純に比較していたのですが、検索サイトなどからの、特に業界外の方々の流入に影響を受けやすかったことから、新しいランキングではメールニュースに掲載したリンクのクリック数で比較することにしたものです。

 この結果、従来の集計方法ではウェブサイト右側の中段にある通り、日本旅行業協会(JATA)の田川博己会長にお話しをお聞きしたインタビュー記事が1位なのですが、新方式ではこれが2位となり、逆に旧方式では2位の「タビックスや東日観光など4社の持株会社設立-タイヘイが旅行事業強化」がトップになっています。これには一つはっきりとした理由があり、それはもともとインタビューのようにページを分割した記事はその分だけページビューが増えることになるためで、今後もこのような逆転現象は起きると予想されます。

 さて、1位になったタイヘイの記事ですが、タビックスジャパン、東日観光、トラベルイン、湯旅の4社を統括する持株会社「T-LIFEホールディングス」が設立されることになりました。不勉強で私自身はタイヘイについて詳しく知らなかったのですが、タビックスジャパンと東日観光といえば観光庁が毎月取りまとめる主要旅行業者50社にも名を連ねる企業であり、読者の皆様も関心を持たれたのではないかと思います。

 4社計の旅行取扱額は2015年段階で約520億円であったということで、16年の主要旅行会社の年間取扱額ランキングに当てはめるとDeNAトラベルと日新航空サービスの間に入って17位となる規模です。

 気になるのは、タイヘイという業界外の有力企業がつちかってきた経験や知恵をどう活かすかです。田川会長もインタビューで言及されていますが、他の業界や他社から学ぶことは少なからずあるでしょう。

 例えばAmazonなどにビジネスを脅かされながらもあちこちに店舗が置かれている書店業は旅行業と環境が似ているでしょうし、ご存知か分かりませんがヴィレッジヴァンガード(リンク)の店舗は、書籍販売の枠を超えて消費者を惹きつけ財布の紐をゆるめる店舗づくりをされており、旅行業の画一的な店舗と比較すると随分な違いがあります。

 その意味では、今回の4社はスキーや訪日、教育旅行など得意分野がはっきりしており、独自性を生み出しやすい素地はありそうに感じます。社員の皆様は準備などでご苦労も多いかと思いますが、なかなかない経験でしょうし、ここでのご努力が4月以降の成功を左右するはずですので、お体に気をつけながら取り組んでいただけるように願っております。

 また今週は3位に、DeNAトラベル代表取締役社長に就任されてから約4ヶ月の大見周平氏にお話しを聞いた記事が入っています。社会人経験6年、29歳という若さで抜擢された大見氏が注目を集めるのは当然で、ねらい通り多くの方に読んでいただけて嬉しく思います。

 OTAは勝ち組でリアルはお先真っ暗、というような雰囲気を業界内で感じることもありますが、必ずしもそんなことはなく、調子の良いOTAにしても例えばGoogleやAmazon、Facebookといった巨人たちに正面から立ち向かう術はそう簡単に見つかるものではないでしょう。むしろ、人間特有の感覚に基づくサービスの方が中長期的には生き残りやすいかもしれません。

 ちなみに、人間的な側面でいうと「旅行会社の社員は旅行好きでなければならない」とか「旅への熱い思いを…」というような主張がよく聞かれますが、個人的には半分程度しか賛同できません。もちろん嫌いというなら離職するべきでしょうけれども、旅行好きである方ほど旅行会社のサービスを使わずにFITで旅行をするような印象があるためです。

 中小規模で高品質な旅を提供されているような会社は別かと思いますが、熱い思いがあっても商品やサービスに落とし込もうとするときっとどこかで劣化します。旅行好きとして一番良い旅行を提供するのが構造として不可能であるならば、それを前提としつつ可能な限りお客様に「満足」していただくことに主眼を置くべきで、そのプロセスに楽しさを覚える人材こそ重要ではないかと思います。(松本)

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