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JATA、てるみ問題でガイドライン、前受金に「60日前20%原則」

  • 2017年12月21日

越智氏  日本旅行業協会(JATA)は12月21日、「海外募集型企画(パッケージ)旅行の企画・実施に関する指針」を発表するとともに、観光庁に提出した。指針はてるみくらぶ問題の再発防止策を検討するための観光庁の有識者会議が、最終報告書において作成を求めていたもので、全国旅行業協会(ANTA)と共同で策定。第1種旅行業者の「前受金の異常な膨らみの防止」に主眼を置き、「業界の自主ルール」として申込金額(前受金)を旅行代金の20%以内とし、旅行代金の残金の受取時期は旅行開始日の前日から起算して60日前以降とする「60日前20%の原則」を遵守するよう求める。つまり、申込金額を「60日前」以前に受け取る場合は、原則として旅行代金の20%以内とする。

 「60日前20%の原則」については一部の商品を対象外とし、例えば広告やパンフレットなどに、支払い期間や前受金の使途を具体的に記載している場合は適用外とする。また「フライ&クルーズ約款」と「募集型ペックス約款」を適用する商品についても、原則として適用しない。さらに、ウェブ上での取引において、旅行者に「原則」に基づく支払いとカード一括払いの2つの選択肢を提示し、その上で旅行者が一括払いを選択した場合についても対象外とした。

 21日の定例記者会見でJATA事務局長の越智良典氏は、「原則」を設定したことで、旅行会社によっては前受金を集める仕組みを変更する必要があること、すでに18年上期商品を販売しており対応が難しい旅行会社があることなどを説明。パンフレットや旅行条件書、ウェブサイトの改定などについては「可能なものから順次対応し、来年10月の下期商品のパンフレットからは反映してほしい」と話した。

 指針では、社内や他社からの通報を受け付けるための第三者機関として、弁護士を委員長とする「海外ツアー適正取引推進委員会」を設置し、4月1日に通報窓口を開設することも明記。設置は有識者会議の最終報告書で求められていたもので、前受金の異常な膨らみが疑われる通報があった場合は、JATAとANTAが信用調査会社などに委託して調査を実施し、委員会が観光庁による行政処分・指導が必要と判断した場合は観光庁に報告する。越智氏は「我々は指導や助言はできても処分はできないので、最終的には観光庁にお願いしなくてはならない」と話した。

 同じく最終報告書で求められていた弁済業務保証金の引き上げについては、現在も観光庁と協議中。同庁によれば、2月にはパブリックコメントを実施し、3月には省令を改正するという。

 越智氏はそのほか「JATAボンド保証制度」について、「もともとは弁済制度を補うものとして始めた。この機会にもう一度しっかりと取り組みたい」と語り、会員数の増加と消費者の認知度の向上に取り組む方針を示した。現在の会員数は168社で、てるみくらぶの経営破綻後には数社が加盟したが、未加盟の会社には引き続き加盟を促す。また、JATAウェブサイトで会員を紹介するなど、取り組みを強化するという。

▽海外募集型企画(パッケージ)旅行の企画・実施に関する指針
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※訂正案内(編集部 2017年12月22日16時30分)
「60日前20%」について、説明を補足いたしました。