シンガポール、協業で誘客強化-東京大阪でイベント、新テーマもアピール
会場で本誌のインタビューに応じたSTB北アジア局長のマーカス・タン氏は、今年の日本人訪問者数の動向について、数値が判明している6月までの累計で「マレーシアなどとの周遊型ツアーが減った一方でモノツアーが増加し、前年並みに推移」していると説明。この点については日本支局長の柴田亮平氏もセミナー中に言及しており、「2016年は80万人弱と前年比で若干のマイナス。17年も上期は苦戦をしたものの下期は回復傾向にある」という。
また、今年の振り返りとしてタン氏は、2月に締結したジェイティービー(JTB)との覚書について「送客はもちろん、シンガポールのブランディングにも貢献いただいた」と謝意を表した。また、STBはこのほかにも日本政府観光局(JNTO)とも協力関係を構築するなど企業や団体との協力を重視しているところで、例えば今年は3月にも毎日放送がインフルエンサーを利用して展開するイベント「ナチュラルビューティーキャンプ」に協賛。
これは、インフルエンサーが実際に現地を訪れて「美」をテーマに各種アクティビティを体験し、ソーシャルメディアなどで発信していくもので、STBが協賛した回ではイベントの内容をもとにルックJTBが商品化するといった取り組みもおこなわれたという。
18年については具体的な数値目標は未定ながら「全国各地で広くピーアール活動に注力していきたい」考えで、「特に仕事を始めたばかり」の層をターゲットに設定。STBでは8月に俳優の斎藤工さんを「シンガポール観光大使」に任命したところで、この起用はそうしたターゲットを意識したことも理由の一つという。
タン氏は、こうした活動を通して「パスポートをまだ持っていない方々が将来初めて海外旅行に行く時に、シンガポールを選んでいただけるようにアピールしたい」と意欲を語った。
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