マカオ、18年は攻めのプロモ展開-6月には大橋
マカオ観光局はこのほど、旅行会社向けのセミナーを開催し、18年の日本市場向けのプロモーション方針を説明するとともに、現地の最新情報を紹介した。市場動向を説明した同局日本代表の榊原史博氏は、マカオでは来年に向けてさまざまな開発が進み、日本人旅行者数も好調に推移していることから、「マカオの将来は明るい」と期待感を示し、旅行会社に対して積極的な販売を呼びかけた。
16年のマカオへの日本人旅行者数は前年比6.5%増の30万613人。17年は10月までの時点で12%以上の伸びを示しており、日本人海外旅行者数が微増のなか拡大基調が続いている。また、16年にマカオを訪れた日本人旅行者のうち、1泊以上マカオに宿泊した人は60.5%に上り、香港から日帰りで訪れる人を大きく上回るなど、旅行先としての認知も進んでいるという。今後は旅行会社に向けて、複数泊の滞在型商品の造成を働きかけていく考えだ。
18年のプロモーション方針としては、「マカオ特有の中世と現代、西洋と東洋、ポルトガルと中国、世界歴史遺産とIRといった対立軸を明確にして訴求する」と説明。また、「マカオ=カジノのイメージが薄まっている」ことから、エンターテイメントやファミリー向けの観光資源をアピールし、あわせて今年11月にはマカオが食文化分野で「ユネスコ創造都市ネットワーク」に認定されたことを機に、ガストロノミーの訴求も強化する。さらに、メディアと旅行会社によるコラボレーション企画を積極的にサポートし、オンラインプロモーションにも力を入れる考え。
榊原氏はマカオと香港への航空ネットワークの拡大にも言及し、「特に西日本からのアクセスが改善されており、今後さらに需要の拡大が見込まれる」と期待を示した。一方、インバウンド需要が急拡大していることから、最大の課題として「香港線の座席の確保」を挙げた。
同観光局はこの日のセミナーで、最新情報として香港とマカオをつなぐ「香港・珠海・マカオ・ブリッジ(港珠澳大橋)」が18年6月頃に供用開始される予定であることを紹介。これにより、香港国際空港/マカオ間の移動時間は、現在のフェリーでの移動に比べると大幅に短縮され、約30分で結ばれることになる。
また、18年にはコタイ地区に「モーフィアス・ホテル」、「MGMコタイ」、「グランド・リスボア・パレス」がオープンする予定。トレード・マーケティング・マネージャー志田佳穂氏は「中国人の需要が終息傾向にあるなか、ホテルの供給量が増加するため日本市場にとってはチャンス」と訴えた。