オランダ、日本人は復調傾向、ゴッホや街道で地方・季節分散
オランダ政府観光局は10月25日、旅行業界向けに「ゴッホ&オランダセミナー」を開催した。24日から東京で始まり、2018年の3月から6月にかけてアムステルダムでフィナーレを迎えるゴッホ美術館との国際共同プロジェクト「ゴッホ展 巡りゆく日本の夢」にあわせたもので、この日は同局が積極的にプロモーションをおこなっている「6つの街道で旅するオランダ」のなかから「ゴッホ街道」と「新・花街道」を紹介した。
「6つの街道で旅するオランダ」は「ゴッホ」「花」「食」「水」「デザイン」「黄金の世紀」をテーマとしたモデルコースで、個人客では行きづらい場所も組み込み、地方へ、そして4月と5月のチューリップの季節以外への観光客拡散をはかる。日本地区局長の中川晴恵氏は「まずはアムステルダムと春季の一極集中を避け、地方と春以外の季節への誘導が重要」としている。
セミナーにはゴッホ美術館のマーケティング・アドバイザーであるカイ・バーテリンク氏も出席し、18年にアムステルダムで開催される同展の紹介と、旅行業界向けのガイドツアー、閉館後の貸し切りプログラム、特典などについて説明した。バーテリンク氏は、オランダでは日本では展示しきれなかった作品も並ぶことを説明した上で「より大規模なものとなるだろう。旅行業関係者による送客は重要。ぜひご協力いただきたい」と話した。
中川氏によると、今年1月から5月までの間にオランダを訪れた日本人観光客数は前年比4%増の4万9000人。フランスやベルギーのテロの影響で、16年は約20%減の11万人にとどまったものの、17年は5%増を見込む。中川氏は18年については「ピークシーズンである4月と5月の商品販売は好調。復調の手応えを感じている」と話す。