田村長官、アバンティは「非常に悪質」-JATAに問合せ200件

  • 2017年10月19日

田村氏  観光庁長官の田村明比古氏は10月18日の業界紙向け会見で、11日に営業を停止した第1種旅行業者のアバンティリゾートクラブについて「はっきり言って非常に悪質な案件」と強く非難するとともに、「このようなことが起きると旅行業界の信頼が毀損される」と懸念を示した。代表者をはじめ、関係者との連絡はまったく取れない状況で「旅行者がどれだけ海外に行っているのか、(負債となる)旅行代金の規模感がわからない」という。

 田村氏によれば観光庁は現在、海外から旅行者が無事に帰国できるよう、外務省に協力を要請しているところで、「今のところ、帰れなくて困っているという情報は入っていない」という。旅行者への負債額については、同社の年間取引額が他社商品の代理販売分を除いて6億4000万円であることを説明した上で「旅行商品の取引期間が出発前から2ヶ月半と考えると、1億円程度では」との試算を示した。

 アバンティリゾートクラブの営業停止を受けて日本旅行業協会(JATA)は、公式サイトで消費者向けに弁済業務保証金制度の案内を開始したところ。JATAによれば、認証希望者の申込件数は19日の時点で約250件に上るという。弁済保証限度額は7000万円。

 そのほか消費者相談室には約200件の問い合わせがあり、同日の業界誌向け会見でJATA理事長の志村格氏は「同社の商品を購入したのか他社の代売の商品を購入したのか、わかっていない人もいる」と報告。影響の規模については「全貌が把握しきれていないが、代売が多くIATA代理店でもないので、てるみくらぶのときよりも小さいのでは」との見方を示した。

 なお、JATAは公式サイトで今回の事案について「お取扱いが多いと思われる企画旅行会社」として、近畿日本ツーリスト個人旅行、ANAセールス、びゅうトラベルサービスの3社を挙げている。