合掌家屋や旬の素材PR 岐阜県、東京で観光商談会
岐阜県観光連盟はこのほど、東京・芝公園のメルパルク東京で「岐阜県東京商談会」を開いた。旅行会社19社から41人、岐阜県内の市町村や観光協会、宿泊施設など観光関係者38団体の64人が参加した。
東京での商談は今回が7回目。担当者は、最新のトピックスとして、岐阜県出身の外交官、杉原千畝の関連資料がこの秋にもユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界記憶遺産に登録が期待されていることを紹介し「観光ツアー造成の材料にしてもらいたい」と要請した。杉原氏は、第二次世界大戦中に、ナチスの迫害から逃れたユダヤ人難民を救うために多くのビザを発給した「命のビザ」で知られる。
商談会会場では岐阜県の観光ビデオを放映したほか、秋冬と2018年の春夏の観光素材集を配布し、ツアー造成を旅行会社に呼びかけた。
個別交渉で、白川村は今年リニューアルオープンした国重文「旧遠山家住宅」で昼食プランを開始したことを紹介していた。同施設は築167年の合掌造り。同村内の世界文化遺産施設である荻町の合掌造り集落からは高山市方面へ15キロほどに位置する。東海北陸自動車道の開通で通過エリアとなっていることから、集客のテコ入れを図る。
昼食は白川産古代米や豆腐、山菜などを食材に、村内の老舗旅館や人気飲食店が考案。入館料300円を含み1600円、1920円、2200円の3種用意した。予約制で個人、団体利用に応じる。40人定員で、2回転にも対応する。
一方、「合掌造り民家園」は、世界文化遺産登録の白川郷合掌造り集落の荻町エリアから徒歩20分ほど。11月2―5日の4日間、園内が紅葉ライトアップされる。
同園は昭和40年代から50年代にかけ、離村者が残した合掌造り家屋の保全を目的に白川村の各地から移築、集約した施設。開園は白川郷の世界遺産登録より古い。25棟の合掌造りがあり、見ごたえは劣らない。
世界遺産の対象外だが、利用制限がある緩衝地帯(バッファゾーン)に含まれている。雪の白川郷ライトアップ期間の平日に園内をライトアップするなど、集客を図っている。入園料は大人600円、小人400円。
今冬の白川郷ライトアップは昨年より2日少ない4日間に短縮し1月21、28日、2月4、12日の日祝日に行う。冬の閑散期対策として始まったライトアップも32回目。過度な混雑や安全面の確保が課題になる中、主催者の白川郷ライトアップ委員会メンバーの高齢化もあり、開催日を減らすことで、よりプレミアム路線へと舵を切った。
駐車場は500台、見晴台は900人に制限し、混雑の緩和を図る。観光バスは村内の飲食店や観光施設を利用するツアーのみを受け入れることにしている。
情報提供:トラベルニュース社