17年上期の旅行業倒産は4件増の17件、4年ぶりに増加
東京商工リサーチ(TSR)によると、2017年上期(4月~9月)における負債総額1000万円以上の旅行業の倒産件数は、前年比4件増の17件となり、上期として4年ぶりに増加した。負債総額は2億5100万円増の17億2300万円。倒産件数は下期(10月~3月)に増加する傾向があるが、今期は16年下期の14件よりも3件多く、小規模事業者を中心に倒産が増加しているという。なお、1月から9月までの累計は4件増の24件で、このままの勢いで推移した場合、3年ぶりに30件を上回る見込み。
上期に倒産した17件のうち、負債総額1000万円以上5000万円未満の旅行会社は11件で、全体の64.7%を占めた。5000万円以上1億円未満は2件、1億円以上5億円未満は3件、5億円以上10億円未満は1件で、10億円以上の大型倒産はなかった。
資本金別では、1000万円以上5000万円未満は9件で、全体の52.9%を占めた。そのほかは、5000万円以上1億円未満が4件、500万円以上1000万円未満が2件などとなった。従業員数別では、5人未満が11件で全体の64.7%を占め、その他は5人以上10人未満が4件、10人以上の会社が2件となった。
倒産の原因別では、「販売不振」が27件で、全体の58.6%を占めた。以下は「既往のしわ寄せ」が12件、「設備投資過大」が2件など。形態別では「破産」が15件で全体の88.2%を占め、その他は「取引停止処分」が2件。倒産の原因別では「販売不振」が12件で、全体の70.6%を占めた。主な倒産としては、京都府の京阪津ツーリストが負債総額6億円、東京都のシナジーコーポレーションが3億5000万円で、それぞれ販売不振により破産開始決定を受けている。
9月単月の旅行業の倒産件数は1件減の2件で、3ヶ月ぶりに前年を下回った。負債総額は1億7400万円減の3600万円。ともに東京都の第3種旅行業者による、負債総額1000万円台の事業清算による破産で、エッチ・アイ・パシフィックファーイーストレミテッドが1900万円、東日本大震災関連の倒産であるフルハウスツアーズが1700万円だった。
なお、17年上期の宿泊業の倒産件数は17件増の46件で、負債総額は39億4500万円増の152億3500万円。9月単月の倒産件数は2件増の8件で、負債総額は2億7400万円増の21億8600万円だった。宿泊業の詳細は別途記載(下記関連記事)。