豪ビクトリア州、JL就航の追い風で誘客強化-ファムも拡大
オーストラリアのビクトリア州政府観光局で日本・韓国局長を務める高森健司氏はこのほど本誌の取材に応え、9月1日に日本航空(JL)が成田/メルボルン線を開設したことを機に、さらなる日本人旅行者の獲得をめざす考えを語った。同路線については、昨年末にはカンタス航空(QF)がデイリー運航を開始。欧米でのテロによる観光需要のシフトもあり、2017年度(16年7月~17年6月)に同州を訪れた日本人旅行者数は前年比24.0%増の6万6100人と大きく増加したが、今後は日系キャリアの直行便という大きな追い風を受けて、ツアー造成やメディアでの露出などを促し、さらなる上乗せをはかるという。
9月上旬にはJLおよびオーストラリア政府観光局(TA)と共同で、メルボルンとその周辺を訪れるファムツアーを実施した。高森氏によれば、これまで同州へのファムツアーは旅行会社向けに年1回おこなう程度だったが、今回は一般誌と旅行会社でそれぞれ約10人程度のグループを組織。このうち本誌が参加した旅行会社のグループは、メルボルン市内の散策に加えて、近郊の景勝地のグレート・オーシャン・ロード、フィリップ島のペンギン・パレード、アーサーズ・シートのオープンして間もないケーブルカー「イーグル」などの視察をおこなった。
ツアーの終わりにはメルボルンを離れ、郊外のクイーンズクリフの築130年超の老舗ホテルにも宿泊。高森氏は「メルボルン市内だけではなく郊外にも滞在して、ビクトリア州ごとゆっくりと観光してほしい。州内にはまだまだアピールできていない魅力が沢山ある」と語り、今回のツアーで訪れたモーニントン半島の英国式庭園の「ヘロンズウッド・ガーデン」や、乗馬とワイナリー巡りの両方を同時に楽しめる「ホースバック・ワイナリー・ツアー」などのアピールを強化する考えを示した。
なお、メルボルンで開催した晩餐会には、JLオーストラリア・ニュージーランド地区ビクトリア・南オーストラリア・タスマニア州統括の安光晋作氏も出席。安光氏は、同路線では業務渡航と訪日旅行については一定の需要が見込めることについて述べた上で「伸ばせる余地が大きいのは、現時点では3割程度にとどまる日本人のレジャー」と強調し、旅行会社には商品造成、メディアには露出による協力を求めた。
同路線は、JLの豪州路線としては成田/シドニー線に続く2路線目。シドニー線とは異なり、午前中に成田を出発・帰着するスケジュールで運航することにより、旅行会社にとってはツアー造成の幅が広がる。使用機材はビジネスクラス38席、プレミアムエコノミークラス35席、エコノミークラス88席、計161席のB787-8型機。
※ファムツアーの詳細は後日掲載