日本のBTMは「認知度低い」、課題はシステム活用-セーバー調査

BTMで業務渡航を効率化
旅行会社が価値を示す機会に

システム利用は少数、出張規定の遵守が課題

 実際に航空券などを予約する手段を聞いた複数回答の質問では、「会社指定の旅行会社にメールで依頼」が52.5%と最も多く、以下は電話で予約するケースが31.0%、ウェブサイトで予約するケースが17.0%で続いた。自分で選んだ予約会社を利用する場合は、「ウェブサイトで予約」が15.0%で最も多く、そのほかはメールでの依頼が9.0%、電話での依頼が5.5%となった。

 中里氏は、「会社指定の旅行会社を利用する場合は、専用のシステムではなく人を介するサービスが主流になっている」と説明。人の手を介するサービスでは出張規定を十分に守れない可能性があると問題点を指摘し、「専用のシステムに会社の出張規定を組み込ませ、利用することが必要」と主張した。

 なお、出張規定の把握状況を聞いた質問では、「都度確認はしないが、大体は頭に入っている」が55.5%で最も多く、以下は「必要に応じて都度確認している」が31.0%で続き、「オンラインで予約する際に自動的に遵守される」は1.5%に留まった。

 出張者が不便や面倒と思うことを3つ選ぶ質問では、「特にない」が35.5%と最も多く、2位は「旅行会社との電話・メールなどでのやり取りの多さ、時間がかかること」で24.0%、3位は「海外出張規定に沿った最適な飛行機・ホテルを自分で探すこと」で20.5%だった。中里氏は「BTMのコンセプトに従い、指定旅行会社やツールを活用していればこうした不満は発生しないはず」とコメント。BTMを提供する旅行会社に対しては、専用システムやアプリケーションを活用することで、工夫の余地があると提案した。

 このほか、出張手配時の手配先の選定や手配方法について、旅行会社などに求めることを複数回答で尋ねた質問では、「最適な経路や乗り継ぎを考慮した旅程をすぐに提示してくれること」が41.5%で最も多く、続いて「丁寧な案内やサポート」が31.0%、「見積もりや適用条件が分かりやすい案内」が30.0%で、やはり人的なサポートに対する要望が上位を占めた。