訪日消費額、17年2Qは13%増の1.7兆円、上期初の2兆超え
観光庁によると、2017年4月から6月までの訪日外国人旅行消費額(速報値)は前年比13.0%増の1兆776億円となり、四半期として過去最高を記録した。四半期だけで1兆円を上回ったのは、15年第3四半期以来7期ぶり。1月から6月までの累計は8.6%増の2兆456億円で、上半期として初めて2兆円を上回った。
第2四半期の訪日外国人旅行者数は21.1%増の約722万人で、1人あたりの支出は6.7%減の14万9248円。7月19日の業界紙向け会見で観光庁長官の田村明比古氏は、日韓間のLCCの路線増などにより訪日韓国人旅行者が大幅に増加したことを説明した上で、「近隣諸国、特に韓国からの旅行者は国内旅行感覚で訪日し、宿泊数も少ないため、1人あたりの支出が減少した」と説明した。
旅行消費額を主要20市場別に見ると、最も多かったのは中国で4.3%増の3682億円。以下は台湾が7.6%増の1536億円、韓国が69.2%増の1177億円、香港が33.7%増の852億円、米国が14.6%増の767億円で、上位5ヶ国で全体の74.4%を占めた。前年を上回ったのは16市場で、伸び率が最も大きかったのは韓国。タイ、シンガポール、マレーシア、ベトナムについては前年を下回った。
1人あたりの旅行支出が最も大きかったのは英国で、36.2%増の25万1171円。以下はイタリアが25.2%増の23万3110円、中国が2.5%増の22万5485円と続いた。中国は15年第4四半期以来、6四半期ぶりに増加。主要20市場のうち前年を上回ったのは上位3市場と韓国、フランス、カナダの6市場のみだった。
消費額を項目別で見ると、最も多かったのは買物代で15.1%増の3603億円となり、5四半期ぶりに前年から増加。以下は宿泊料金が12.0%増の2965億円、飲食費が9.1%増の2086億円、交通費が12.4%増の1213億円と続いた。構成比は買物代が0.7ポイント増の38.5%、宿泊料金が0.3ポイント減の27.5%、飲食費が0.7ポイント減の19.4%、交通費が前年並みの11.3%。観光庁によれば、小売店がスマートフォン決済の導入や接客レベルの向上などに取り組んだ成果が、買物代の伸びに現れているという。
消費項目を国・地域別で見ると、1人あたりの買物代が最も多かったのは中国で、13万1128円。宿泊料金と飲食費の1位は英国で、それぞれ11万4961円、5万5442円となった。交通費の1位はイタリアで4万8933円。娯楽サービス費の1位はスペインで1万5円となり、唯一1万円を超えた。